アイオイ・システム、物流ピッキング自動化へAIビジョン採用 多品種混載の壁を解消

2026年3月9日16:49|ニュースCaseHUB.News編集部
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 アイオイ・システムは、物流現場での出荷前作業を自動化するため、エウレカロボティックスの「Eureka AIビジョンシステム」を標準採用した。3月9日、エウレカロボティックスが発表した。これまで人手に頼らざるを得なかった最終ピッキング工程の自動化を実現し、物流工程の上流から下流までを一貫して支援する体制を構築する。実証実験を通じて性能検証とシステムの高度化を進め、早期の実運用を目指す。

 アイオイ・システムは、デジタルピッキングシステムの提供を通じて物流や製造現場のDXを支援している。物流業界では人手不足が深刻化しており、入荷や保管、搬送といった工程での自動化投資が加速している。しかし、出荷前の最終ピッキング工程においては、扱う商品の種類が多く、商品の入れ替わりも激しいため、商品ごとにデータ登録やCADデータの準備が必要となる。この運用負荷の大きさが、自動化における「最後の壁」となっていた。

 こうした課題を解決するため、アイオイ・システムはロボットアームの「目」と「脳」の役割を担うソリューションとしてEureka AIビジョンシステムの採用を決めた。同システムは、エウレカ独自のAIとアルゴリズムを搭載したコントローラーと3Dカメラで構成されている。3Dカメラが商品を撮像すると、リアルタイムで3D点群データを生成し、最適な把持位置やロボットの姿勢を自動で算出してロボットアームに伝達する仕組みだ。

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アイオイ・システムの汎用自動ピッキング装置

 採用の決め手となったのは、CADデータや事前のワーク登録を必要としない「マスターレスピッキング方式」を実現できる点である。現場に流れてくる実物をそのまま3Dで認識してピッキングできるため、SKUの追加や変更のたびにシステムを再設定する手間が省ける。これにより、eコマース倉庫のような商品点数が多く、入れ替わりが激しい現場でも、システムを停止させずに連続稼働させることが可能となる。

 アイオイ・システムで本プロジェクトを主導するシステムソリューション部企画課マネージャの御園哲郎氏は、物流の自動化は一部の工程を改善するだけでは根本的な解決にならず、入荷から出荷までがスムーズに連携して初めて価値が生まれると指摘する。これまで自動化の壁とされていた最終ピッキングに同システムを採用したことで、最後のピースが埋まったとしている。今後は実証実験を重ね、人手不足に悩む顧客へ真にメリットのあるソリューションを提供したいという。

 今後、両社は物流現場での実運用を見据えた性能検証を継続する。アイオイ・システムは、自社のマテハン設備やシステム構築のノウハウにエウレカロボティックスのAI技術を組み合わせることで、物流工程全体の自動化提案を加速させる。

ニュースリリース