千歳市は、市公式Webサイトの機能強化を目的に、AI検索・RAG型生成AIサービス「Cogmo Enterprise 生成AI」を採用した。3月9日、同サービスを提供するアイアクトが発表した。AIによる意味合い検索や回答の要約機能を通じて、市民が必要な情報へ迅速に到達できる環境を整え、情報アクセシビリティの向上を図る。
千歳市は今回のWebサイト機能強化において、AIを活用したサイト内検索および要約機能の導入を必須要件としていた。背景には、生成AIの急速な普及により、インターネット上での情報収集において「AIに質問する」という形式が一般的になりつつある現状がある。自治体のWebサイトとしても、こうした多様な検索ニーズへの対応が不可欠だと判断した。
従来のWebサイトでは、蓄積された膨大な情報に対し、キーワードの完全一致を前提とした検索方式を採用していた。そのため、表記ゆれや類義語に対応しきれず、市民が目的の情報を見つけるまでに時間を要するという課題が顕在化していた。こうした「情報のたどり着きにくさ」を解消し、より直感的な操作で情報を提供することが求められていた。
新たに採用されたCogmo Enterprise 生成AIは、自然言語処理技術を用いたAI検索ソリューションだ。これにより、「予防接種の手続きを知りたい」といった文章形式での検索が可能になった。AIが利用者の検索意図をくみ取り、関連性の高い情報を優先的に表示する。
また、ChatGPTと連携したRAG(検索拡張生成)機能を備えている点も大きな特徴だ。AIがサイト内の複数ページから関連情報を抽出・集約し、回答を要約して提示する。利用者は複数のリンクを順に確認することなく、一目で情報を把握できる。
運用の効率性も選定のポイントとなった。生成AIの運用で課題となる回答精度の維持や向上について、専門知識を必要としないノーコードの管理機能を搭載している。市の担当者が市民の声を反映させながら自ら検索精度を調整できるため、迅速な情報更新と最適化が可能になる。
アイアクトは、導入にあたって最適な検索精度を実現するための初期調整や運用支援を行っている。導入後も継続的なサポート体制を提供し、運用の定着と業務効率化を支援していく方針だ。同社は、情報の流通課題をAIテクノロジーで解決することをテーマに、今後もCogmoシリーズの機能拡張とサービス向上を進める。自治体や企業のAI利活用を促進することで、社会全体の生産性向上に貢献していく。
今後は、実際の利用状況に基づいた精度の検証を進め、市民の利便性をさらに高めていく。市の担当者による自律的な運用を通じて、常に最新かつ正確な情報が適切な形で提供される体制の確立を目指す。