倉敷アイビースクエア、AIによるダイナミックプライシングサービスを開始

2024年9月9日08:15|ニュースリリース公開日 2023年12月20日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 倉敷アイビースクエアは同社が運営する複合観光施設に、日本電気(NEC)と三和コンピュータが提供する「ホテル向けダイナミックプライシングサービス」を導入した。2023年11月から実証実験を行い、2024年2月から本格運用を開始した。AIにより需要と供給の状況に応じた適切な客室価格を算出し、業務効率化と収益最大化を目指す。

 倉敷アイビースクエアは、明治時代の倉敷紡績所発祥工場を再利用したホテルや文化施設を備える。国の近代化産業遺産に認定された創業時の建物群は、国内外から多くの観光客を集めている。

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倉敷アイビースクエアの外観写真

 同社は以前からダイナミックプライシングに基づく価格設定を行っていたが、ベテランスタッフの経験と勘に頼る手作業だった。しかし、近年の状況変化により、繁忙期や閑散期の予測が難しくなり、価格算出の手間や担当スタッフの不足が課題となっていた。三和コンピュータの提案を受け、NECとダイナミックプラスが共同開発した「ホテル向けダイナミックプライシングサービス」を導入した。ベテランスタッフの経験と勘をAIが支援することで、価格設定の業務負荷を軽減し、閑散期のリスクを抑え、繁忙期に向けた積極的な投資につなげる狙いだ。

 このサービスでは、NECのホテル基幹業務システム「NEHOPS」に蓄積された過去の販売実績や現在の予約状況に加え、時期や競合他社の客室価格、周辺のイベント情報などのデータをAIが分析し、適切な客室価格を自動算出する。これにより、個人の経験・推察に頼らない価格設定を可能とし、業務の属人化を防止するとともに、ホテルの収益最大化に貢献する。

 AIにより自動算出された客室価格は、ホテルスタッフの確認後、「NEHOPS」にデータ連携・自動反映されるため、スタッフのオペレーションを簡素化し業務負荷を軽減できる。また、個別のインターフェース開発が不要なため、短期間でのサービス導入が可能だ。さらに、価格設定に反映した要素がシステム上に表示されるため、需要予測や集客施策立案、マーケティングにも活用できる。

 株式会社倉敷アイビースクエア 宿泊部の磯田康介氏は、「今回の『ホテル向けダイナミックプライシングサービス』の導入は先進的な取り組みとなるが、長年ホテルシステムでお付き合いしていて弊社の運用を熟知しているNECと三和コンピュータから提供されるため、安心して任せられると判断した。本システムの導入が、お客様へのサービスのグレードアップに寄与するものと確信している」とコメントしている。NECと三和コンピュータは、今回の提供実績を活かし、今後もホテル業界でのAI活用を積極的に推進していく方針だ。

ニュースリリースURL
https://jpn.nec.com/press/202312/20231220_02.html