戸田建設、AI議事録ツール内製で会議コスト削減と業務効率化を実現

2024年10月18日18:45|ニュースCaseHUB.News編集部
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 戸田建設は、サーバーレスオペレーションズの支援を受け、AIを活用した自動議事録作成ツール「Make-Minutes」を内製開発した。2024年10月18日、サーバーレスオペレーションズが発表した。Make-Minutesは会議後の要点やネクストアクションのまとめなど議事録作成にかかる時間を大幅に削減し、参加者は会議のみに集中できる。議事録作成者の負担軽減と、大幅なコスト削減と効率化に貢献している。

 戸田建設は140年以上の歴史を持つ大手建設会社で、近年はデジタル技術の活用にも注力し、BIMやAI、IoTなどを活用した建設プロセスの効率化に取り組んでいる。同社のITへの取り組みで特徴的なのは、社内でクラウドネイティブなIT人材を育成し、さまざまなITシステムの内製化に取り組んでいる点である。

 Make-Minutesは、戸田建設のDX推進室のメンバーが個人的な興味から開発をスタートさせた。音声認識AI「Whisper」と大規模言語モデル「GPT-4」など複数のAIモデルを活用し、サーバーレスアーキテクチャで構築されている。

 Make-Minutesは、ブラウザベースのウェブアプリケーションで、音声ファイルをアップロードすると自動的に文字起こしを行い、AIが内容を整理、要約しテキストファイルの議事録として出力する。議題ごとの議論内容のサマリー、決定事項、それに伴う次のアクションも記述する。あらかじめ定めた議事録フォーマットに揃えて出力するため、AIによる自動作成とは思えない完成度となっている。

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議事録の自動生成のイメージ

 開発を主導したDX推進室の平林氏は、Make-Minutesの開発の経緯について、「AI議事録ツールは高額なものが多く、導入に踏み切れなかった。WhisperのAPIが登場したことで、自分でも作れるかもしれないと考え開発を始めた」と語った。DX推進室長の佐藤氏は、「業務命令ではなく、自発的な取り組みによってモチベーション高く開発が進められた」と評価している。

 サーバーレスオペレーションズは、戸田建設のDX推進室に対し、定期的なミーティングやSlackでのコミュニケーションを通して、技術的なアドバイスやノウハウの共有など、内製化に向けた様々な支援を行ってきた。戸田建設では今後、Make-Minutesのさらなる機能拡張を進めるとともに、BIMデータを活用した建築パースへの生成AI活用など、他の領域でも生成AIの活用を進めていく。 

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