ブルーモ証券、反社チェック自動化でリスク管理を高度化 属人性を排し確認業務を効率

2025年8月12日17:17|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ブルーモ証券は、口座開設時のリスク管理体制の強化を目的に、反社チェックツール「RiskAnalyze」を採用した。RiskAnalyzeを提供するKYCコンサルティングが8月12日、明らかにした。API連携によるスクリーニングの自動化で属人性を排除し、確認業務を効率化。「見るべき人」の審査に注力できる体制を構築した。

 ブルーモ証券は2022年に設立された、個人を対象に米国株やETF(上場投資信託)の投資サービスを提供する証券会社。金融事業者として、反社会的勢力との関係遮断やマネーロンダリング対策は当然の責務であり、創業当初からリスク管理体制の整備を進めてきた。しかし、限られた開発リソースや予算の中で、いかに効率的で実効性の高いチェック体制を構築するかが課題となっていた。

 複数のツールを比較検討した結果、RiskAnalyzeの採用を決めた。選定にあたっては、自社のシステムとAPI連携し、チェック作業を自動化できる点を評価した。また、国内の情報だけでなく、金融機関に犯罪収益移転防止法で求められているPEPs(政治的影響力を有する人物)や制裁リストといった国際的なリスク情報にも対応している網羅性と、コストのバランスに優れている点も決め手になった。

 現在、口座開設時のリスクスクリーニングは自動化されており、eKYCによる本人確認からRiskAnalyzeによるチェックまでがAPI経由で実行される。これにより、確認作業にかかる工数は最小限に抑えられている。また、新規顧客だけでなく既存顧客に対しても定期的なモニタリングを実施し、継続的なリスク管理体制の維持を図っている。

 この仕組みにより、同社は「問題ない人」の通過を効率化し、そのぶん「見るべき人」にしっかりと時間をかけるという運用方針を徹底している。リスク情報が検知された場合は、オペレーションチームが内容を慎重に精査し、必要に応じて再検索や情報の追加取得を行いながら、社内で総合的に対応方針を検討する体制を整えた。

 証券業務のオペレーション構築を統括する吉岡氏は、「ツールを選ぶときは、信用できる情報が取れるかが一番大事だ。RiskAnalyzeはその点で安心感があり、結果の見やすさや検索のしやすさなど、現場の使い勝手もかなり良いと感じている」と話す。

 ブルーモ証券では、今後の機能追加として制裁リストの更新などを踏まえて定期的に再照会する「自動モニタリング機能」に期待を寄せている。その上で、特定の属性に絞ってチェックを実行できるフィルター機能など、コストや件数を考慮した現実的な仕様であれば、さらに有用性が高まると考えている。

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