アイ・オー・データ機器、VMware基盤をOCIへ移行し運用負荷とTCOを6割削減

2025年8月12日16:47|ニュースCaseHUB.News編集部
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 アイ・オー・データ機器は、社内業務アプリケーション基盤の運用負荷軽減と総所有コスト(TCO)削減を目的に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用、100を超えるVMware環境をOCI上の「Oracle Cloud VMware Solution(OCVS)」へ移行した。8月12日、OCIを提供する日本オラクルが発表した。今回の移行で運用負荷を大幅に軽減し、TCOは今後数年間で60%削減できる見込みだ。同社は今後、データ利活用などを本格化させ、DX施策を加速させる。

 アイ・オー・データ機器では、製品ライフサイクル管理(PLM)やCRMなどの業務アプリケーションを支えるオンプレミスサーバーが保守期限を迎えていた。これに加え、オンプレミスの仮想環境や「Oracle Database」を含むサーバー群の管理負荷、障害対応、脆弱性対策が課題となっていた。また、近年のVMware製品のライセンスやサポート体制の変化に備え、より柔軟で拡張性に優れたITインフラへの移行が求められていた。

 こうした背景から、同社は複数のクラウドサービスを比較検討。既存のVMwareに関するスキルを最大限に活かし、アプリケーションや運用体制への影響を最小限に抑えながらクラウドへ移行できるOCVSを高く評価した。コスト競争力や、「Oracle Base Database Service」との親和性、仮想マシンとデータベースを統合して管理できる点もOCI採用の決め手となった。

 移行プロジェクトはキューブシステムが担当し、「Oracle Cloud Lift Services」によるフィジビリティ・スタディなどを通じて、移行方針やシステム構成を段階的に策定した。2025年7月には、外部データセンターのオンプレミスサーバー上で稼働していた100以上の仮想マシンをOCVSへの移行を完了した。今後は、自社のサーバールーム内にある仮想マシンについても順次移行を進める。

 OCIへの移行により、同社はこれまでリソースの制約を受けながら行っていた業務システムの設計やサーバー管理業務から解放される。これにより、システムのモダナイゼーションとデータ利活用を本格化できる。今後は、OCI上にOracle Databaseを活用したデータ分析基盤を整備し、DX施策の加速と業務プロセス全体の可視化・最適化を図っていく。

 アイ・オー・データ機器 DX推進部 副部長 兼 情報システム課 課長の小倉隆司氏は、「当社の業務アプリケーションの大半はVMware環境上で稼働しており、従来の資産やスキルを継承した形で、OCI上のOracle Cloud VMware Solutionへと円滑に移行できたことを高く評価している。特に、100を超える仮想マシンとOracle Databaseを統合的に管理できる点は、少人数の運用体制にとって大きな利点だ。今後は、クラウド上に整備したデータ分析基盤や業務システムのモダナイゼーションを通じて、DXのさらなる加速と全社的な業務最適化に取り組んでいく」と述べている。

ニュースリリース