Dixstoneは、グローバルなオフショア事業の統合管理を目的に、IFSの産業用AIソリューション「IFS Cloud」を採用した。12月12日、IFSジャパンが発表した。10カ国にまたがるプロジェクトの財務管理や資産の保守業務を一元化する。オペレーショナル・エクセレンスとサステナビリティを推進し、複雑化するオフショアプロジェクトの効率化を目指す。
Dixstoneは、エネルギー企業Perencoグループの関連会社で、オランダに本社を置く。建設、掘削、海洋サービス、廃止措置など、オフショアサービス全般の統合ソリューションを提供している。近年は英国での二酸化炭素回収・貯留(CCS)向けCO2圧入テストや大型廃止措置プラットフォームの運用など、画期的なプロジェクトを通じて事業を急速に拡大しており、その成長を支えるデジタル基盤の整備が急務となっていた。
採用にあたっては、IFS Cloudが持つオフショアエネルギー業界特有の機能や、モジュール型の設計、多拠点展開を支える拡張性を評価した。グローバルな事業運営に必要なアジリティを備えている点も決め手となった。オフショアエネルギーとは、海上(洋上)で生み出されるエネルギー全般を指し、代表例が「洋上風力発電(オフショア風力)」となる。
IFS Cloudの採用により、Dixstoneは多様なプロジェクトの財務管理とガバナンスを強化する。計画、実行、監視をリアルタイムで行える環境を整えることで、予算やリソース配分を精緻に管理し、工期とコストを順守しながら安全にプロジェクトを遂行できる体制を構築する。
また、リグや船舶、プラットフォームといった資産の運用・保守もIFS Cloud上で統合管理する。予知保全機能や一元化された資産データを活用することで、不具合が運用に影響する前に対処可能となる。これにより、資産の稼働時間を最大化し、寿命を延ばすとともに、運用効率の向上を図る。
DixstoneゼネラルマネージャーのJean-Christophe Le Gal氏は、「IFS Cloudは当社のグローバルな事業運営とサステナビリティ目標を支えるために必要なアジリティと深さを提供してくれる。単なるシステムではなく、戦略的な推進力だ」とコメントしている。
今後は、探鉱から廃止措置に至るE&P(探鉱・生産)バリューチェーン全体のプロセスを統合していく方針だ。環境負荷を低減しながら顧客に最適なソリューションを提供し、長期的な企業価値の向上につなげたい考えだ。