東京海上日動システムズ、生成AI活用ツールでプログラミング工程の生産性向上

2024年9月9日07:45|ニュースリリース公開日 2024年6月26日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 東京海上日動システムズは、生成AIを活用したコード生成ツールの実証実験を行い、プログラミング工程において平均約40%の生産性向上を実現した。2024年6月26日、東京海上日動システムズと日本IBMが発表した。

 IT業界では、複雑化するシステムに対応できる有識者を含むIT人材不足に加え、既存システムの運用、保守費用の高さが課題となっている。システム開発・運用を効率化し、エンジニアの生産性を向上することで、より戦略的な領域で、高品質な成果を出せる環境の整備が求められている。このようなIT業界が直面する課題解決に向け、両社は、長年のシステム開発、保守の実績で培ったノウハウと、AIをはじめとした先進テクノロジーや基礎研究で培った知見をもとに、システム開発に生成AIを適用し、エンジニアの生産性の向上を実現するツールの開発に取り組んだ。

 今回開発したツールは、生成AIを活用して、詳細設計書をもとに命令文(プロンプト)を作り、プログラム・コードを生成することが可能。実証実験の結果、プログラミング工程における既存アプリケーションの修正や新規アプリケーションの開発において、平均約40%、最大約90%の生産性向上を実現した。エンジニアは煩雑なコーディング作業から解放され、より創造的かつ戦略的な業務に注力することが可能になった。また、本実証実験では、IBM watsonx.aiをはじめ、Microsoft Azure OpenAI ServiceやAmazon Bedrockでサポートされているさまざまな大規模言語モデル(LLM)で検証し、適材適所に用途に応じたLLMを配置することにより、生産性向上が確認できたという。

 東京海上日動システムズは、今回の実証実験の結果を、エンジニアがより創造的かつ戦略的なシステム開発業務に注力できる環境を実現し、IT業界のあり方を変える第一歩と位置づけている。さらに、コード生成ツールの実証実験を行ったアプリケーションにおける本格活用や他アプリケーションへの横展開も検討している。また、進歩する生成AIの技術を迅速に取り入れ、利用目的やタスクに応じて複数の生成AIから最適なLLMを評価した上で選定し、コード生成の精度向上を目指すマルチLLM環境を実現しつつ、プログラミング工程に加え、システム開発工程全体に生成AIの適用を拡大することを展望している。

 東京海上日動システムズと日本IBMは、今後、多様なシステム開発プロジェクトに最新の生成AIを適用することで、さらなるシステム開発の効率化とエンジニアの生産性向上を図り、高品質なサービスの迅速な市場投入を可能にし、顧客に新たな価値を提供し続けることを目指す。

ニュースリリースURL
https://jp.newsroom.ibm.com/2024-06-26-Tokio-Marine-and-Nichido-Systems-IBM-Japan-a-code-generation-tool-using-generative-AI