サッポロホールディングスは、店舗運営の意思決定を支援するAIエージェントの試験導入を開始した。システム基盤として、エクサウィザーズが提供するAIエージェント開発・運用プラットフォーム「exaBase Studio」を採用した。3月16日、エクサウィザーズが発表した。購買データの分析から施策案の生成までをAIエージェントが代替することで、店舗業務の効率化と売上拡大の両立を目指す。
サッポロホールディングスは、中期経営計画(2023〜2026)においてデジタルトランスフォーメーション(DX)を重点活動の一つに掲げ、デジタル技術による業務変革を推進している。顧客体験の向上を通じた価値創造を目指す中で、グループ企業のサッポロライオンにおいて、店長による実績データに基づいた効果的な施策構築が課題となっていた。
こうした課題に対し、exaBase Studioの分析・提案エージェントは、複雑な購買データ分析をAIに集約して精度を平準化できる点を評価した。また、分析結果に基づいた検証や示唆出し、社内通知、レポート生成までを自動実行できる拡張性の高さも、試験導入の決め手となった。
今回の取り組みでは、サッポロライオンが運営する「銀座ライオン渋谷マークシティ店」の購買データを活用した。AIエージェントは、混雑時間帯や価格帯分布、バスケット分析など20通り以上の分析検証を実行。出店エリア情報や店舗担当者のナレッジもインプットした環境下で、課題の抽出から施策案の提案までの一連のタスクを担った。
分析の結果、アイドルタイムにおける集客力や、特定の価格帯におけるメニューの空白地帯、若年層の会員化率といった課題が浮き彫りになった。これを受け、AIエージェントは平日のアイドルタイムにおける新規顧客接点の創出や、若年層の来店動機を作る体験型施策、新規会員獲得のフックとなるメニューなどを提案した。
サッポロホールディングスDX企画部の森本精太氏は、顧客体験価値向上を通じた売上貢献という価値創造領域でのAIエージェント活用を目指しており、今回exaBase Studioを活用したと述べている。定型的なデータ分析や施策案立案をAIに委ねることで、店舗スタッフや店長が顧客体験向上に注力できる環境づくりの検証を開始できたとし、今後は定期分析の自動化や異常検知による原因究明など、さらなる機能拡充に期待を寄せている。