ディーエムエス、生成AIを全社員活用へ 業務品質と創造性の向上を図る

2025年9月3日22:02|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ディーエムエスは、生成AI・LLMアプリプラットフォーム「Alli LLM App Market」を導入した。9月3日、Allganize Japanが発表した。すべての社員が生成AIを日常業務で活用できる環境を構築することで、業務品質の向上と創造性の強化を目指す。

 ディーエムエスは、ダイレクト・コミュニケーションを主軸に、セールスプロモーションやコールセンター、物流など事業領域を拡大してきた企業だ。さらなる業務の高度化や生産性の向上を図るため、生成AIの全社活用に取り組んでいる。

 同社では、経営企画室デジタル推進グループが中心となり、「全社員が生成AIを使いこなす組織」を目標に掲げ、生成AIツール導入プロジェクトを発足。創造性の強化やデスクワークの効率・品質向上を目的として、ツールの選定を開始した。

 選定にあたり、誰もが利用しやすいこと、社内ナレッジを活用できること、安全な環境で利用できることを重視した。複数製品を比較検討した結果、Alli LLM App Marketを採用。プロンプト入力が不要で直感的に使えるアプリ形式であることや、ノーコードで社内ニーズに合わせたアプリ開発ができる柔軟性、そして社内情報を安全に活用できるRAG機能が標準搭載されている点が決め手になった。また、充実したサポート体制も評価した。

 導入後は、利用ルールの周知と研修を実施。アクティブユーザー数が1.5倍に増加するなど、活用が進んでいる。また、効果的に活用している社員へのインタビュー事例を社内報で共有するなど、利用促進策も展開している。

 活用事例としては、取引先ごとに書式が異なるチェックシートへの回答を支援する「ISMS/PMSヒアリングシート回答生成アプリ」や、100ページを超えることもある自治体案件の資料を要約するアプリなどを自社で開発し運用している。これにより、担当者への質問や問い合わせが減り、業務時間の短縮につながっている。

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生成AIアプリの業活用例

 若手社員からは、先輩に質問しにくい場合でもAIに気軽に質問できるため、疑問を解消しやすいといった声が挙がっている。また、Excel関数の作成やメールの文章チェックといった日常業務に直結したアプリも広く活用されており、ベテラン社員からも「役職者らしい表現がしたい」といった目的で利用されるなど、年代や役職を問わず浸透が進んでいる。

 ディーエムエス経営企画室デジタル推進グループ長の市川和之氏は、今回の取り組みについて「AIエージェントなどの新しい技術も積極的に取り入れ、効率化や自動化を推進し、AI化を加速させていきたい」と話している。

ニュースリリース