三井倉庫、神戸港でAIを活用したコンテナ配置・荷役作業手順計画の実証を開始

2025年12月3日00:29|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三井倉庫は、港湾におけるAIを活用したコンテナターミナル運営の効率化技術の開発に取り組んでおり、2025年11月から、同社が運営する神戸港六甲RC2コンテナターミナル(兵庫県神戸市)で現地実証を開始した。12月2日、AI技術を提供した日立が発表した。

 この技術開発は、国土交通省が実施する港湾技術開発制度における技術開発業務の一環として、三井倉庫、三井E&S、日立製作所と三社共同で受託したものだ。実証では、日立のAIが立案したコンテナ配置計画や荷役作業手順計画などを三井E&Sが開発したシミュレーターで検証・評価したうえで、実際の作業に適用し、コンテナターミナル運営の効率化と強靭化を目指す。現地実証は2026年2月まで実施する予定だ。

 これまで、コンテナターミナルの運営は、熟練の計画立案者による豊富な経験と知見に支えられてきた。しかしながら、近年の貨物量の増加やコンテナ貨物情報の刻々と変化する状況により、計画立案業務はより一層複雑化しているという課題があった。

 こうした環境変化に対応するため、三井倉庫は、三井E&S、日立製作所と共同で、AIやシミュレーション技術をはじめとするデジタル技術の活用を通じて、作業計画立案の高度化を推進している。

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AIを活用した荷役シミュレーターの概要

 現地実証では、三井倉庫が長年培ってきたコンテナターミナル運営のノウハウを活用する。具体的には、コンテナ貨物の特性データをもとに日立のAIが搬出日予測、コンテナ配置計画、荷役作業手順計画を立案する。この計画を、三井E&Sが開発した荷役シミュレーターを用いて効率性を検証・評価したうえで、実際の作業に一部適用する。

 三社は、デジタル技術の活用を通じて、コンテナターミナル運営の効率化・強靭化のみならず、持続可能な港湾物流体制の構築と社会課題の解決に貢献していく方針だ。

ニュースリリース