三菱UFJ銀行、AI基盤で金融実務を高度化 鑑定評価書の処理時間を半減

2026年1月29日23:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三菱UFJ銀行は、複雑な金融プロダクツ業務の全工程を横断的に支援するAIプラットフォームとして、LayerXの「Ai Workforce」を採用した。1月29日、LayerXが発表した。専門性の高い業務における提案から期中管理、償還に至るまでの「End to End」の業務改革を目指す。先行導入した部署では、不動産鑑定評価書の読み取り時間を従来の半分に短縮するなど、具体的な成果が出ている。

 同行で導入を主導したのは、商品構造が複雑で高度な専門性が求められる業務を担うソリューションプロダクツ部(SPD)だ。同部ではシンジケートローンや不動産ファイナンス、M&Aファイナンス、証券化といった多岐にわたるプロダクツを取り扱っている。各グループで固有の業務要件や複雑な商品構造を有しており、従来のシステムではこれらの要件を十分に反映できず、業務体制のさらなる高度化や効率化が課題となっていた。

 Ai Workforceを採用した理由として、業務ごとに異なる契約書様式や必要情報を柔軟に設計・運用できる点を挙げている。複雑な業務要件に対応しながら、生産性向上を実現できる基盤として評価した。現在はSPD内の先行5グループで、それぞれの業務特性に応じた環境を構築して運用している。

 導入による効果は、主に「期中管理業務の効率化」「格付作業の迅速化」「ナレッジ共有による提案品質の向上」の3点に表れている。期中管理においては、融資契約書や各種合意書から必要な情報を自動抽出し、管理表などのフォーマットへ自動出力する仕組みを構築した。出力結果には契約書上の根拠条項が併記されるため、ミドルバックオフィスへの案件引継ぎや確認作業の正確性とスピードが向上した。

 不動産鑑定評価書の格付作業では、鑑定会社ごとに形式が異なる書類から約100項目のデータを自動抽出している。従来、担当者が手作業で約60分を要していた読取処理は、2分の1程度に短縮された。また、過去の提案書や交渉経緯を固有のタグで体系的に蓄積したことで、類似案件の知見活用が容易になり、顧客への迅速な提案活動が可能になった。

 今後は、SPD内の他グループへの導入を順次進める。先行グループにおいても、契約書のドラフト作成やレビューなど、より高度な判断が求められる領域への活用拡大を検討している。AI基盤の活用を通じて業務プロセスを自動化・高度化し、サービス提供時間の短縮とさらなる付加価値の提供を目指す。

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