ワールドインテックは、採用面接における評価業務の省力化と客観的な見極め体制の確立を目的に、TISの音声解析技術を活用した面接評価AIを採用した。6月12日、TISが発表した。同AIはTISの営業管理ツール「SalesMAPs」の技術を応用したもので、面接内容の要約や評価観点ごとの整理、申し送り用レポートの作成などを支援する。導入により面接の振り返り時間を15%削減するほか、主観に依存しがちだった評価のばらつきを抑え、優秀な人材の確実な獲得を目指す。
ワールドインテックは各種技術・技能分野における人材派遣や紹介、請負などの人材ソリューションを主たる業務とし、人財の意欲やポテンシャルを重視した採用活動を行っている。しかし、合格基準や判断根拠を個人差なく明確に示すことに課題を抱えていた。経験に依存した属人的な判断は自社にマッチする優秀な人材の取りこぼしに繋がる懸念があったほか、面接後の振り返りや申し送りにおいて文字起こしや評価シート作成などの手作業が発生し、面接官の業務負荷が増大していた。
こうした背景から、同社はTISおよびグループ会社であるワールドシステムサービスと共同で、2026年1月から3月にかけてPoC(概念実証)を実施した。TIS独自の特許技術である複合感情分析技術を用いて、発話内容だけでなく声のトーンやスピード、抑揚などを組み合わせて客観的に分析。熟練面接官の判断基準をアルゴリズム化して再現できることや、実運用での高い省力化効果を確認できたため、本番導入を決めた。
同システムの導入により、音声データから自動で内容が要約され、六つの評価観点ごとに定量スコアやコメントがレポートとして可視化されるようになった。これにより、振り返りや申し送りにかかる工数が削減された。また、フィラーや発言割合といった人手では捉えにくい要素もデータ化され、AIが第二の面接官として多面的な評価を提供するため、経験の浅い面接官でも候補者の特性に気づきやすくなった。合否の境界線にある判断も客観的な基準で行えるようになり、採るべき人材を見極める体制が整った。
今後は、面接評価AIによる採用時の評価データと、人事システム上の入社後のパフォーマンスデータを掛け合わせた分析を実施する計画だ。長く活躍する人材の特性を定量的に可視化し、その分析結果を面接の評価モデルに還元し続けることで、採用の精度を継続的に向上させるデータドリブンな採用DXの実現を目指す。