青森放送、生成AI活用で報道現場の文字起こしを効率化 作業時間を3分の1に短縮

2026年1月16日16:28|ニュースCaseHUB.News編集部
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 青森放送(RAB)は、Amazon Bedrock上の生成AIを活用した放送業界向け文字起こしツール「dahande(ダハンデ)」を導入した。1月16日、システムの事業開発を支援したヘプタゴンが発表した。報道現場のワークフローに最適化したツールの活用により、文字起こしに要する業務負荷を従来の3分の1まで効率化した。同社はこの取り組みを働き方改革の先駆けとし、今後は他局への横展開も視野に入れている。

 青森県を放送対象地域とするローカル局のRABは、従業員満足度の向上を目指し、特に業務負荷の高い報道部門のデジタル化を推進している。報道現場では取材後の文字起こし作業が必須であり、記者の長時間労働や身体的負荷が大きな課題となっていた。特に選挙期間中は深夜まで作業が続くことが常態化しており、早急な改善が求められていた。

 RABはこうした課題の解決に向け、青森を拠点にDX支援を行うヘプタゴンをパートナーに選定した。ヘプタゴンは放送業界の業務に精通したメンバーを擁しており、現場のワークフローを入念にヒアリング。プロトタイプの開発を経て、アジャイルな手法でdahandeを共同開発した。選定にあたっては、クラウド主導の柔軟な開発体制や、業界特有のニーズをくみ取る専門的な知見、そして曖昧な要件を機能に落とし込める信頼性が評価された。

 dahandeの導入により、報道現場の業務フローは改善された。従来は記者が帰社した後に音声データを配布し、編集機を用いて手作業で文字起こしを行っていたため、校了が日付をまたぐことも珍しくなかった。導入後は、記者が取材先からスマートフォンで音声データをアップロードし、帰社を待たずして文字起こしを開始できるようになった。これにより、3時間の音声データの場合で作業時間を最大3分の1まで短縮し、記者が当日中に帰宅できる環境を整備した。

 機能面では、放送現場で不可欠な「正確さ」と「スピード」を両立させている。Amazon Bedrockの生成AIによる高精度な文字起こしに加え、タイムコードを自動付与する機能を搭載した。情報の客観的な出典元を即座に参照できるようになり、ニュース制作におけるダブルチェックの負荷が軽減され、編集者への指示出しも効率化された。また、ドラッグ&ドロップを中心とした直感的な操作性を実現したことで、ITの習熟度を問わず幅広い層の職員が自発的に活用を始めている。

 RABは今後、dahandeの活用範囲を社内でさらに拡大させるとともに、同様の課題を抱える他の地方放送局への横展開も目指す方針だ。

 RAB報道局報道部専任部長の髙嶋大樹氏は、「ヘプタゴンは新規事業というファジーな環境下でも期待以上のものを作ってくれた。アジャイルな開発手法でこちらの要望を柔軟にシステムに落とし込み、かゆいところに手が届く成果物を届けてくれた。任せても大丈夫という圧倒的な安心感がある」とコメントしている。

ニュースリリース