三菱地所、顔認証でビル権限管理を一元化 運営効率化と利便性向上へ

2026年3月5日22:28|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三菱地所は、オフィスビルのセキュリティ権限管理を一元化する統合型権限管理システム「ReconIDs(レコナイズ)」を共同開発し、運用を開始した。3月5日、共同開発した日本電気(NEC)が発表した。顔認証技術を活用してビル運営の効率化と高度化を図る。今後、三菱地所グループが運営管理するビルへ順次展開し、標準的なセキュリティインフラとして活用するほか、他社施設への外販も進める方針だ。

 三菱地所は、国内で多数のオフィスビルを運営管理している。昨今、オフィスビルや商業施設などの公共空間では、従来のICカードや暗証番号による認証において、紛失や盗難、なりすましといった課題が顕在化していた。特に複数の拠点を跨いで利用する働き方の多様化に伴い、拠点ごとに異なるセキュリティ権限を管理する負荷が増大。管理会社やテナント企業の管理部門における業務効率化と、利用者の利便性向上の双方が求められていた。

 こうした背景から三菱地所は、世界トップクラスの顔認証技術を有するNECと業務提携契約を締結。現場の運用課題に即した実用性と拡張性を備えたReconIDsを共同で開発した。本システムは、共用部と専有部のセキュリティ権限をひとつのアカウントで統合的に管理できる点が特徴だ。

 システムの選定にあたっては、顔認証が非接触で高精度な本人確認が可能である点や、感染症対策と安全性の両立に寄与する点を評価した。また、複層的な権限設定が可能な仕組みを構築。ビル管理会社がテナント企業に一部の権限を付与することで、各企業が独自に従業員の情報登録や管理を行えるようにした。これにより、管理会社側が個人情報を直接扱う必要がなくなり、プライバシー保護と管理業務の負荷軽減を両立できる。

 クラウドベースの運用を採用した点も大きな特徴だ。顔情報や権限情報は高いセキュリティ環境のクラウド上で管理されるため、情報漏洩リスクを低減できる。ネットワーク接続環境があれば遠隔からの登録や管理が可能で、利用者自身がスマートフォンなどで顔写真を登録できる柔軟な運用を実現した。

 運用実績として、2025年10月から三菱地所プロパティマネジメントの本社専有部に先行導入されている。利用者からは顔認証による入退管理の利便性や、権限付与の即時性が高く評価されている。2026年2月には、三菱地所本社およびグループオフィスである「MIX丸の内」への導入も完了し、複数拠点を跨いだ統合運用の検証も進んでいる。

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ReconIDsでの顔認証の様子

 今後は、三菱地所グループの運営管理ビルへ順次導入を進め、2027年度以降には他社施設や外部テナントへの外販も本格化させる計画だ。機能拡充についても継続的に行い、顔認証だけでなく静脈認証など他の生体認証技術の導入も視野に入れている。本人認証を起点とした各種サービスと連携することで、オフィスに限らず商業施設や複合施設など、多様な空間におけるユーザー体験の向上とまちの価値向上を目指す。

 三菱地所とNECは、今後も顔認証による入退管理のさらなる利便性向上と、権限管理の柔軟性を高めることで、都市空間における安全性と快適性を両立するスマートビルソリューションの提供を推進していく。

ニュースリリース