ファンケル、AIチャットボットで自己解決率向上 曖昧な質問への回答精度を改善

2026年3月5日22:26|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ファンケルは、顧客応対品質の向上と問い合わせ業務の効率化を目的に、モビルスが提供するベクトル検索型チャットボット「MOBI BOT AI Vector Search」を採用した。3月5日、モビルスが発表した。2026年1月1日から「ファンケルオンライン」FAQサイトなどで運用を開始している。実証実験では、従来のチャットボットと比較して問い合わせ完了数が約2割向上する成果が得られている。

 ファンケルは化粧品やサプリメントの大手として、カスタマーサービスにおいて「お客さま一人ひとりに最高の体験価値(CX)を提供すること」を掲げている。主要顧客層である40代以上の層やデジタル操作に不安を感じる層に配慮し、電話やメール、LINEなど多様なチャネルを整備してきた。しかし、従来のチャットボットはキーワード一致を前提としていたため、利用者が自然な文章で質問した場合や、FAQにない表現を用いた場合に適切な回答を提示できない課題があった。

 その結果、解決できない利用者が電話や有人チャットへ流入し、オペレーターの負荷が増加していた。人手不足を背景に有人対応の強化には限界があることから、人員を増やすことなく自己解決を促進できる高精度なチャットボットとして、MOBI BOT AI Vector Searchの導入を検討した。

 MOBI BOT AI Vector Searchは、AIを活用したベクトル検索により、言葉の曖昧な表現や類似語を数値化して意味的に近い回答を検索できるのが特徴。自然な文章から質問の意図を理解できるため、利用者の検索時の迷いを軽減できる。また、あらかじめ登録されたFAQから回答を提示するため、生成AI特有の誤回答(ハルシネーション)が発生しない信頼性の高さも評価された。

 2025年12月に実施した実証実験では、成果が確認された。たとえば「日焼けをしてしまったので、美白になれる化粧品を探している」といった曖昧な入力に対しても、AIが文脈を理解して関連性の高いFAQを提示できるようになった。これにより、チャットボット内での問い合わせ完了数が約2割向上したほか、有人オペレーターへの連携数が減少し、定型的な対応にかかる工数の削減につながった。

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ファンケルでのチャットボットを利用したお問い合わせの流れ

 ファンケル カスタマーサービス本部CXデザイン部デジタルデザイングループの川崎純子氏は、従来のボットは言い回し次第で検索にヒットせず、的外れな回答になることもあったと指摘する。ベクターサーチは言語理解に基づき検索するため、文章入力でも高い回答精度で解決率が向上した。自然文入力が増えたことでコンタクトリーズン分析もしやすくなったため、チューニングでさらなる改善を進める。今後は、ファンケルグループの姉妹ブランドであるアテニアの公式サイトにおいても、2026年度内の導入に向けて連携を進める。

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