竹中工務店、法務AI導入で審査を標準化 若手の成長速度を3倍に

2026年4月14日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 竹中工務店は、法務業務の品質向上と効率化を目的に、LegalOn Technologiesの法務特化型AIエージェント「LegalOn」を採用した。4月13日、LegalOn Technologiesが発表した。2025年4月より、契約審査を行う「レビュー」や「LegalOnアシスタント」などの各モジュールを導入。年間2000件を超える膨大な契約審査の属人化を解消し、若手社員の成長速度を従来の約3倍に高めるなどの成果を上げている。

 創業400年を超える総合建設会社である竹中工務店では、本社法務室が全社の法務機能を担い、全国の拠点へアカウントを展開している。従来、契約審査はベテラン担当者の経験に依存しており、ノウハウが言語化されていないことが課題となっていた。また、数万円から1000億円超まで多岐にわたる契約を年間2000件以上取り扱うため、審査体制の標準化と効率化が急務となっていた。

 同社はこうした課題を背景に、コロナ禍を契機とした法務業務のデジタル化の一環として、「LegalOn」導入に先立つ2021年にAIレビューサービスである「LegalForce」を導入していた。従来の紙ベースでの目視審査から脱却し、条文の不足やリスクを瞬時に指摘する機能が社内で評価されたことで、全国の拠点へと利用を広げてきた経緯がある。

 この運用基盤を下地に、今回さらなる高度化を目指してLegalOnの採用へと移行した。その決め手として、自社固有の審査基準をシステムに登録できる「プレイブック」機能を高く評価した。導入に際しては、若手メンバーが作成した素案をベテランが校閲するプロセスを経て、長年属人化していた「竹中ならではの判断基準」を言語化してシステムへ実装した。

 導入の効果として、自社ポリシーに基づいた高精度なレビューが瞬時に可能となった。AIが条文の抜け漏れやリスク箇所を指摘することで、審査の品質と速度が向上。特に経験の浅い若手社員にとって、プレイブックが先輩の思考プロセスを学ぶ教材となり、従来は3年程度要していた成長期間が1年ほどに短縮された。

 また、AIアシスタント機能の活用により、契約書の要約やバージョン比較、非定型契約の権利義務関係の整理といった複雑な業務も効率化された。法的知識の正確さに加え、入力データが学習に利用されない秘匿性の高いクローズドな環境も、実務における安心感に繋がっている。

 竹中工務店法務室の大野直都氏は、「AIの提示を重要な判断材料としながら、最終的には人が責任を持って判断する。AIが法務担当者の欠かせないパートナーとなる状態を目指し、今後も活用度を高めていきたい」としている。

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