三菱UFJ銀行、AIエージェントで提案書作成を高度化 27部署で実務時間を短縮

2026年4月14日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三菱UFJ銀行は、Sales Markerが提供するマルチAIエージェント「Orcha(オルカ)」を本格導入した。4月13日、Sales Markerが発表した。法人営業におけるリサーチから提案書のドラフト作成までの一連のプロセスを効率化し、顧客との対話や提案内容の磨き込みに充てる時間の創出を目指す。現在はコーポレートバンキング部門を中心に27部署で活用が進められている。

 三菱UFJ銀行の大企業向け営業部門では、多岐にわたる顧客課題に対応するため、事前の業界分析や提案のストーリー設計に多大な時間を要していた。特に、提案書として成立する水準の資料ドラフトを短時間で作成することが共通の課題となっており、営業活動全体の生産性を向上させるための具体的な打ち手が求められていた。

 Orchaの採用にあたっては、リサーチから論点整理、スライド生成までを一体で支援できる機能性に加え、銀行独自のブランドガイドラインや厳格なセキュリティ要件に準拠できる点を評価した。また、出力された情報のソースが追跡可能で、ファクトチェックを容易に行える仕組みも、信頼性を重視する金融機関の実務に適していると判断された。

 約60名が参加した実証実験(PoC)を経て開始された本格導入では、すでに大きな効果が確認されている。PowerPoint形式で出力されるスライドのレイアウト崩れが少なく、実務での編集が容易なため、資料作成の初期工数が削減された。これにより、顧客提案までに何度も検討を重ねる「PDCA」を回せるようになり、提案の質そのものが向上している。現在は約200名規模の営業担当者が、リサーチ、構成案の作成、戦略の壁打ちなどに日常的に活用している。

 今後は、M&Aや産業調査、海外進出支援などを担う専門部署へも利用範囲を拡大する計画だ。同行は、AIによる資料作成の効率化にとどまらず、蓄積されたデータやコンテキストを活用することで、顧客の潜在的なニーズをいち早く捉える高度な営業スタイルの確立を目指す。

ニュースリリース