Synspectiveは、今後の事業拡大を見据えた製造基盤の強化を目的に、PTCが提供するPLMソリューション「Windchill」および3D CADソフトウェア「Creo」を採用し、システム構築を開始した。5月27日、システムの販売と構築を担う理経が発表した。複雑化する製品構成や設計情報を一元管理することで、組織を横断した情報共有を可能にし、衛星システム開発の業務効率向上を目指す。
Synspectiveは、天候や昼夜に影響されず地表の状態を画像化できる小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発、製造、運用から、データ解析ソリューションの提供までを一貫して手がける日本の宇宙ベンチャー企業だ。2028年以降に30機以上の小型SAR衛星コンステレーションの構築を目指しており、現在は年間12機の衛星を製造している。継続的な生産規模の拡大を計画している成長フェーズにあり、開発から製造、運用、管理に至る製品ライフサイクル全体を俯瞰し、将来の事業拡大に柔軟に対応できる新たな仕組みが必要になっていた。
従来の環境では、複雑化および高度化する衛星システムの製品構成や設計情報を最適に管理することが課題だった。そこで、一つのシステムでCADやBOM(部品表)の連携が可能で、紙やExcelによる管理から脱却できるWindchillの採用を決めた。豊富な標準機能を備え、ノンプログラミングでの変更や拡張ができる柔軟性、海外の宇宙・航空分野における利用実績と信頼性などが評価のポイントになった。これに伴い、Windchillと親和性が高く、設計から製造までを一気通貫で完結できるCreoへの切り替えも同時に実施する。
Creoの採用にあたっては、設計変更時にデータを自動で一括更新し、修正漏れを防げる点や、モデルベース定義(MBD)、リアルタイムシミュレーションに対応している点が評価された。さらに、AIが製造可能なモデルを自動生成するジェネレーティブデザイン機能や、直感的で扱いやすい操作性も備えており、設計時間と試作コストの削減が期待されている。
システム構築から納入、保守サポートまでは、40年以上にわたり衛星通信ビジネスの実績と知見を持つ理経が担当する。理経はSynspectiveの課題や事業戦略に寄り添いながらプロジェクトを伴走し、今後も先進的なデジタルエンジニアリング技術を通じて、日本の宇宙産業における設計・開発環境の強化を支援する。
Synspectiveは、高頻度かつ高解像度の地球観測を可能にする新しいインフラの創造に取り組み、持続可能な社会の実現を阻害する自然災害や環境破壊などのリスク特定・評価を進めている。今回の基盤強化により、複雑なシステム開発の効率を高め、さらなる事業成長とレジリエントな未来の実現に向けた取り組みを加速させる。