三十三銀行は、営業現場における面談記録作成の負荷軽減と顧客応対品質の向上を目的に、Salesforce入力エージェント「bellSalesAI」を採用した。5月18日、bellSalesAIの開発・販売を行うベルフェイスが発表した。面談中のメモと会話の同時作業による職員の負担や、帰店後の手入力に依存した記録作業の課題を解決し、職員が顧客との対話に集中できる営業環境の整備を進める。
三重県と愛知県を主要エリアとする地方銀行の三十三銀行は、現在の中期経営計画で「DXの推進による営業スタイルの変革」を掲げ、データドリブンな営業組織への変革を目指している。しかし、現場では長時間の金融営業におけるメモと会話の両立が重荷になっていた。また、帰店後の記録作成は断片的なメモと記憶による手入力に依存しており、1件あたり最大30分以上を要するケースもあるなど、効率化や記録品質の均質化が課題となっていた。
同行は課題解決に向けて3製品の比較検証を各1か月、計3か月間にわたり一部店舗で実施した。その結果、離れた距離でも高感度に録音して文字起こしする要約精度の高さ、完了までのスピードの速さが評価された。さらに、スマートフォンアプリの直感的な操作性が職員から高く支持され、事前に整備されたマニュアルや他行での導入知見を活かした迅速なサポート体制も決め手となり、正式採用に至った。
試行期間中の検証では、営業店の複数の職員が1件あたり20~60分の作成時間短縮を達成し、アンケートでの平均削減時間は10~30分となった。また、本部においては平均30~60分、最大で60分以上の時間削減を記録する行員も現れた。これにより、記録作業に費やしていた時間を次回面談に向けた最適な提案の準備や顧客対応に充てられる環境が整った。
高い精度での自動記録・要約が可能になったことで、職員は同時並行のメモ取りから解放され、対面に全精力を傾けて顧客の発する重要なキーワードを正確に拾い上げられるようになった。また、当初想定していた個人渉外の投信・保険面談だけでなく、営業店の法人渉外担当者や本部の顧客渉外部門でも高い頻度で利用されたほか、本部での会議議事録作成にも活用が広がるなど、組織全体への浸透が進んでいる。
三十三銀行DX戦略部の山本浩詞氏は、対面接点は顧客理解において最も大切なチャネルであるとし、今回の導入により、行員の経験の多寡にかかわらず効率よく顧客のキーワードを拾い上げられると説明する。今後は全店導入に向けて、渉外担当者全員がフルに活用できるよう、ベルフェイスのサポートを受けながら定着化と利用促進に注力し、銀行全体としての営業生産性と提案力の向上を同時に実現していきたいとしている。