日本石油輸送(JOT)は、月間600件を超える請求書の仕訳入力を自動化するため、TOKIUMが提供する経理AIエージェント「TOKIUM AI明細入力」を採用した。3月31日、TOKIUMが発表した。AIによる明細読み取りと自動学習機能を活用し、年間約90時間の業務工数削減を見込む。今後は段階的に利用範囲を広げ、グループ各社への展開も視野に入れている。
JOTは1946年創立のエネルギー輸送大手で、石油製品の鉄道や自動車による輸送、高圧ガスや石油化学製品の国際複合一貫輸送など多角的な物流事業を展開している。同社では支払処理の際、各部門の担当者が請求書の仕訳入力を行い、経理部がその内容を確認・修正する運用をとっていた。しかし、月間600件以上の請求書処理が締め日付近に集中するため、担当者の業務負担が課題となっていた。
こうした背景から、JOTは「TOKIUMインボイス」のオプションとしてTOKIUM AI明細入力の導入を決めた。選定の最大の決め手は、AIが請求書の明細を読み取り、勘定科目や部門を含む仕訳を自動で入力できる点だ。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)と比較して処理スピードが早く、導入に大きな工数をかけずに即座に利用を開始できる点も評価した。
AIが修正内容を自動学習する仕組みも大きな特徴だ。使い続けるほど入力精度が向上するため、各部門の入力工数だけでなく、経理部による修正工数の削減も期待できる。JOT経理部JOT会計グループの寺本卓磨氏は、締め日前後の請求書確認から仕訳入力、承認までに多くの時間を費やしていたと振り返る。AIエージェントの導入により、業務効率化をいち早く実感できると判断した。修正内容をAIが学習して次回以降に反映するため、今後のさらなる学習効果に期待を寄せている。
現在は特定の取引先から段階的に導入を進めており、将来的にはグループ全体での活用を予定している。今回の取り組みは、AIによって経理業務のアナログ作業を自動化し、本来注力すべき業務に向き合える環境を目指す「経理AXプロジェクト」の一環として進められている。JOTは、デジタル技術の活用によりバックオフィス業務の高度化を推進していく。