群馬銀行、生成AIプラットフォーム稼働 若手のナビゲートや融資ノウハウ継承へ

2026年6月17日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 群馬銀行は、地域金融機関における融資・渉外業務の品質安定化と生産性向上を目的に、生成AIを活用したAIエージェントプラットフォーム「FutureBANK AI HUB(仮称)」を導入した。6月16日、フューチャーアーキテクトが発表した。両社が2024年から共同で進めてきた実証実験の成果をもとに5月から本格稼働を開始しており、経験の浅い行員への実務サポートや次世代への融資ノウハウの継承を促進している。

 群馬銀行は2025年4月に策定した中期経営計画において、持続的な成長を支える事業基盤の強化に向け「DX・業務改革」や「データ利活用」を基本方針として掲げている。その一環として、長年の運用のなかで培われた融資ノウハウの適切な共有や、渉外融資業務のさらなる高度化が課題となっていた。そこで、同行へすでに導入されている戦略業務系システムFutureBANKと親和性高く連携し、融資業務のプロセス全体をAIが伴走支援する同プラットフォームの採用に至った。

 新システムでは、行内のマニュアルや既存システムに蓄積された膨大な審査データを、外部情報検索と大規模言語モデルを組み合わせたRAG技術により統合して活用する。AIが業務のナビゲーションを行うことで、経験年数に関わらず安定した品質での業務遂行を支援する。さらに、決算書分析といった複雑なリサーチプロセスを自動化するAIエージェント機能も備えている。2026年11月には、これまで手入力による登録に時間を要していた決算書の科目明細などを生成AIの読み取りによって迅速にデータ化する機能も追加提供される予定で、さらなる事務負担の軽減と銀行組織全体のナレッジ活用を進める。

20260616_gunma.png
FutureBANK AI HUBの構成概要

 5月の稼働開始から約2週間が経過した時点で、渉外融資業務に携わる対象者の約6割がすでに利用を開始しており、累計利用件数は約4000件に達した。現場の行員からは、AIとの対話を通じて顧客の財務状況や資金ニーズの深掘りができ適切な提案につながっているという声や、専門的な財務分析において数値の根拠が示されるため納得感を持って判断できるといった評価が上がっている。また、若手行員が事前にAIと対話を重ねることで顧客との会話やヒアリングのバリエーションが増え、OJTの効率化と品質向上にも寄与している。

 今後は、FutureBANKを基盤としたAI組込型のデジタル業務プロセスへの進化を通じて、データの継続的な収集・蓄積とAIによる価値拡大を両立する自律的なAI活用サイクルを確立し、さらなる経営戦略の実現や業務高度化を目指す。

ニュースリリース