済生会向島病院、生成AIで看護サマリー作成を自動化 業務負荷の軽減へ

2026年6月20日16:06|ニュースCaseHUB.News編集部
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 東京都済生会向島病院は、医療業務支援に特化した生成AIサービス「GaiXer Medical Agent」を採用した。6月18日、同サービスを提供するFIXERが発表した。電子カルテの情報を基に看護サマリーのドラフトを数分で自動生成することで、看護師の記録業務にかかる時間を短縮し、業務負荷の軽減を目指す。全国に400以上の施設を展開する済生会グループにおいて、同サービスの導入は初の事例となる。

 東京都済生会向島病院は、墨田区八広にある済生会(社会福祉法人恩賜財団済生会東京都支部)が運営する一般病院だ。同病院の生成AIサービス導入の背景には、医療現場における記録業務の負担増加がある。看護師は患者のケアに加えて多岐にわたる記録業務を担っている。特に患者の退院や転院の際に作成する看護サマリーは、継続的なケアを引き継ぐために不可欠な書類だが、電子カルテの膨大な情報から要約を記述する必要があり、作成に多くの時間を要していた。向島病院でも、作成時間の削減と業務負荷の軽減、作成者による記録のばらつきをなくして医療連携を強化することが課題となっていた。

 向島病院は、FIXERが持つ医療情報を取り扱う上でのセキュアな生成AI基盤の提供実績や、医療領域への理解、現場に寄り添いながら導入を進める伴走型の支援体制を評価して採用を決めた。

 GaiXer Medical Agentは、電子カルテに蓄積された診療情報や看護記録をAIで解析し、看護サマリーの下書きを自動生成するシステムである。これにより看護師は、ゼロから文章を作成する必要がなくなり、内容の確認や修正といった本質的な作業に集中できる。AIがあらかじめ標準化された構成で文章を作成するため、記録のばらつきが減り、記録品質の均てん化にも寄与する。CSVファイルなどを用いたデータ連携に対応しており、ベンダーを問わずさまざまな電子カルテシステムで利用可能だ。

 向島病院看護部長の佐久間あゆみ氏は、「看護サマリーは、患者の状態や背景、提供してきた看護を次のステップへ確実につなぐ重要な役割を担っている。これまでは要件を満たすサマリーを作成するために、入院中の経過や看護記録を読み返して情報を整理し直す多大な時間が必要だった。交代勤務の中で時間を捻出することは容易ではない。生成AIを活用したシステムにより、日々の看護実践とその変化を短時間で要約することが可能になる。地域社会から求められる役割を果たしつつ、看護のバトンが次へとつながっていくことを期待している」と語る。

 向島病院は、同サービスの活用により看護サマリー作成業務の効率化を実現し、看護師がより多くの時間を患者のケアに充てられる環境を整備する。質の高い情報連携を通じて地域医療へ貢献していく。

ニュースリリース