ボンとらやは、生成AIを活用した新商品開発の効果を検証する実証実験(PoC)を行った。8月13日、共同で検証を行ったルーテックスが発表した。ルーテックスの菓子・飲食業界向けAIプラットフォーム「Ameiro」を活用し、看板商品「ピレーネ」の新フレーバー候補を選定。企画書やパッケージ画像の作成にかかる時間を短縮し、より多くのアイデアを試せる環境としての有用性を実証したという。
愛知県豊橋市を中心に12店舗を展開する老舗和洋菓子専門店のボンとらやは、1日に3000個以上売り上げるピレーネのほか、他社とのコラボレーション商品も積極的に手掛けるなど、幅広い商品を販売している。一方で菓子業界全体として、食のトレンドが多様化し、サイクルが短くなる中、コンセプト立案や試作の方向性検討といった新商品開発の初期工程に時間とリソースが集中しがちだった。同社でも、アイデアを出せる人材が社内の数人に限られ、試せる案の数に限界があることが課題となっていた。
こうした課題を解決するため、商品開発のワークフローを支援するAmeiroを採用し、4月18日から約3カ月間の実証実験を実施した。Ameiroは、「Claude」や画像生成AIを組み合わせ、商品名、コンセプト、原材料の配合からパッケージ画像までを一気通貫で自動生成する。独自の食材データベースを基に原価計算の結果を出力できるほか、自社のレシピやブランド資料を読み込ませて独自性を反映できる機能も備えているという。
実証実験ではAmeiroに同社の資料を取り込み、ピレーネを起点とした新商品を企画した。AIが生成した提案に対し、ブランドのDNAや実現可能性、市場性などの観点から評価を進めた結果、新たな商品候補として「大葉」や「夏みかんソーダ」などの案を絞り込んだ。
ボンとらやで新商品開発を担当する佐藤氏は、「Ameiroを使ったことで新商品企画の初期段階を効率化できただけでなく、誰でもアイデアを構想できるようになり、より多くの案を試せる手応えを感じている」としている。今後はAIの提案と職人の知見を掛け合わせ、新しい菓子の開発につなげたい考えだ。