日東工業、設備図面から分電盤の見積情報を抽出する生成AIアプリを開発

2026年10月21日11:21|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 日東工業は、日本IBMの支援のもと、設備図面から、分電盤の見積に必要な回路情報や機器情報を抽出する、マルチモーダル生成AIのアプリケーションを開発した。全国23営業拠点、約50人の営業担当者が使える環境を整え、2026年10月から、段階的に実業務での運用を始める。10月20日、両社が発表した。

 分電盤の見積は、案件ごとに形式が異なる設備図面から、法規制や製品仕様などを読み取り、必要な機器と回路構成を検討する、高度な業務知識と経験が求められる。業務が特定の担当者の知見に頼りやすく、多くの見積依頼に対応する中で、迅速な対応と見積の品質の両立が課題だった。両社は、約1年半にわたり、見積ノウハウの整理、業務知識の構造化、人とAIの役割分担の定義、運用体制の整備を進め、生成AIを継続して業務に組み込む環境を作ってきた。

 アプリは、建物図面をアップロードすると、マルチモーダル生成AIが、分電盤の見積に必要な回路情報、機器情報、特記事項などを抽出するWebアプリケーションだ。システムの構成には、日本IBMが提唱する「統合AI基盤」のリファレンス・アーキテクチャーを採用し、日本IBMが自社業務への適用で蓄積した「Client Zero」の知見と、「IBM Consulting Advantage」で体系化された生成AIの活用手法を取り入れて、AIエージェント・フレームワークを実装した。特定のAIモデルやシステム環境に依存しない構成で、技術の進化や業務要件の変化にも、柔軟に対応できる。

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アプリケーション開発の取り組みイメージ

 業務では、AIが図面の読み取りと情報の整理を担い、営業担当者が、業務知識に基づいて、抽出結果を確認し、補正する。AIの抽出結果や営業担当者の修正内容を構造化データとして蓄積し、個人の経験や知識に頼っていた見積ノウハウを、組織全体で活用・継承できる知識基盤を構築した。見積業務の効率化と対応品質の向上を目指す。リリースでは、作業時間の短縮などの定量的な効果は示されていない。

 今後は、営業現場での利用で得られるフィードバックを反映し、図面の読み取り精度や操作性の向上、対応できる図面の種類と範囲の拡大を進める。見積業務で蓄積するデータと、日東工業が長年培ってきたノウハウを使い、設計、生産、保守など、周辺業務への展開も検討する。両社は、AIのガバナンス、セキュリティー、アーキテクチャーを含めた、全社レベルのAI活用基盤の検討も進めている。

ニュースリリース