痔疾用薬「ボラギノール」を展開する天藤製薬は、ECサイト「BORRAオンラインショップ」の基盤として、SUPER STUDIOが提供するAIコマースプラットフォーム「ecforce」、データ活用ダッシュボードツール「ecforce bi」、チャット型対話式EFO「ecforce efo」を採用した。10月28日、SUPER STUDIOが発表した。システム間のデータ連携の課題を解消し、業務効率化とデータ分析の精度を大幅に高める。
創業200年超の製薬メーカーである天藤製薬は、近年、生活者の健康意識の高まりに対応し、予防や未病対策にアプローチする新ブランド「BORRA」などを展開している。その一環として2022年に「BORRAオンラインショップ」を立ち上げ、幅広い世代の顧客に利用されている。
ECサイトの運用では、カートシステム、ランディングページ(LP)管理、販売データ分析システムがそれぞれ別々に存在し、データ間の整合性を保つことが難しい点が課題となっていた。これにより、受注データにキャンセル分が含まれるかどうかなどで差が生じ、定期契約の残存率などのデータがバラバラになる問題が発生していた。また、商品数の増加とまとめ買いオファーの増加に伴い、商品コード管理の煩雑化も課題となっていた。
そこで、同社はカートだけでなくLPや販売分析も一元管理できるシステムを求め、ecforceへの移行を決めた。ecforceの採用理由としては、エラー発生時の迅速な対応と手厚いサポート体制、自社開発による今後の機能拡充への期待、業界内での高い知名度と信頼感が挙げられている。また、会計システムなどの機能を追加導入する可能性がある中で、ecforceなら連携しやすいだろうという点も決め手になった。
システム移行は2024年3月頃から話を進め、同年11月にはリニューアルが完了し、約5カ月で移行を完了させた。
ecforceの導入により、データの正確性が大幅に向上した。特に旧カートシステムで外部ツールを使っていたLP管理は、ecforceの管理画面から全て一元管理できるようになったため、カートシステムに入ってくるデータとのズレが生じるケースが解消された。
また、データ活用ダッシュボードツールのecforce bi導入により、データ分析の手間が削減された。従来は月ごとのデータをカートシステムからダウンロードし、手作業で整形して外部ツールにアップロードしていたが、ecforce biによって可視化されたデータをそのままCRMチームが分析、活用できる状態になった。ecforce biとカートシステムのecforceがシームレスに連携されていることで、データの正確性も担保され、定期残存率など重要視している指標のデータ分析の精度が向上している。
さらに、チャット型対話式EFO「ecforce efo」の導入で、PDCAサイクルを高速で回せるようになった。以前はシステムの担当者に問い合わせてレポートを出してもらう必要があり、スピーディーな改善が難しかったが、ecforce efoの管理画面で離脱ポイントやエラー箇所を確認し、タイムリーに修正できるようになった。
業務効率化の観点でも、これまで一つの商品コードを付ける際に6~7パターンのコードが必要だった作業が減り、作業時間が短縮された。体感として運営コストは三分の一程度になった。
天藤製薬のマーケティング部 D2Cカスタマーグループの安田奈月氏は、ecforceのサポート体制について「導入時のサポートはもちろん、導入後も非常に手厚くサポートしていただけており、安心感がまったく違うと感じている」とコメントしている。
今後は、ecforce biの予測分析機能(β版)を活用し、定期契約の残存率だけでなくLTV(顧客生涯価値)の観点でのデータ分析にも視野を広げる計画だ。