キャディ、反社チェック体制を強化 Slack連携で国内外の全件チェックを短縮

2025年10月28日23:51|ニュースCaseHUB.News編集部
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 製造業向けAIデータプラットフォームを展開するキャディは、反社・コンプラチェックツール「RiskAnalyze」を採用した。10月28日、同製品を提供するKYCコンサルティングが発表した。契約レビューのフローに自動スクリーニングを組み込み、国内外を網羅した全件チェック体制を構築した。従来のチェック漏れや調査時間、海外調査の限界といった課題を解消し、業務効率の向上と内部統制の強化につなげる。

 キャディは「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」というミッションのもと、製造業AIデータプラットフォーム CADDiを核に国内外へ事業を拡大している。グローバル展開の加速と内部統制の強化を見据え、顧客、仕入先、業務委託を横断した全件チェック体制の構築が喫緊の課題だった。

 従来の反社チェックは、新聞記事閲覧サービスを使った手動リサーチで、担当者が個別に検索していた。しかし、従業員への申請フローが浸透しておらず、法務部が契約チェックで気付いた案件しか調査できていない状況があった。また、リスク情報がヒットした際には関係者への情報収集も含め1件あたり15分から20分ほどの検索時間を要し、業務効率上の負担となっていた。加えて、海外取引先については十分な情報を得られず、網羅性に課題を抱えていた。記事閲覧ごとの従量課金コストという費用面での課題もあり、こうした状況を改善し、チェック率100%の網羅性を確保するために、RiskAnalyzeの導入を決めた。

 RiskAnalyzeの選定にあたっては、API連携の柔軟性と、ビジネスコミュニケーションツール「Slack」で業務を完結できる点を最も評価した。検索結果の記事要旨や件数内訳までSlack上に直接返してくれるため、別画面に移動することなく内容確認から可否判断までをその場で完結できる。また、海外法人や制裁リストを含めて幅広く検索できる海外情報の充実度と検索の柔軟性も、海外取引先が多い同社にとって大きな決め手となった。

 導入により、反社チェックの網羅性、効率化、コスト削減、ガバナンス強化と多方面で改善が見られた。全従業員がアクセスするSlackを通しての申請をフローに組み込んだことでチェック率100%を実現し、海外取引先の調査も可能になった。検索時間は平均5分程度に短縮され、結果が0件の場合はボタン1つで承認できるなど、実質ゼロ分で完了するケースもあり、担当者の負担と工数が大幅に減った。チェックを契約レビューのフローに組み込んだことで、ルール逸脱の案件も可視化され、内部統制が強化された点は大きな成果となっている。

 同社法務部の森脇氏は、海外展開を視野に入れている企業や急速な事業拡大を目指す成長企業にとってRiskAnalyzeの導入は特に有効だとし、「海外取引先も網羅的に確認でき、制裁リストや規制対象者の検知も可能になる。これにより、監査対応やステークホルダーからの信頼確保に直結する体制を構築できる」と述べている。

 経理部の佐藤氏は、今後に向けた要望として、懸念情報が出た際にSlackから直接メモを残せる機能や、取引先マスタデータベースとして活用できるモニタリング機能の強化などを挙げ、「企業全体の内部統制基盤へとなってくれたら嬉しい」と期待を寄せている。導入時のオンボーディングやAPI連携時のカスタマーサクセスチームのサポート体制についても、「安心して任せられるサポート体制だ」と評価している。

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