ヤンマー建機、生成AI搭載のMotionBoardで生産計画策定に要する時間を半分に

2026年2月20日11:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ヤンマー建機は、生成AIを搭載したデータ活用プラットフォーム「MotionBoard」の最新バージョンを使い、生産計画策定時間を50%削減した。2月20日、MotionBoardを提供するウイングアーク1stが発表した。熟練者のノウハウを形式知化することで、数千種に及ぶ製品仕様が絡む複雑な生産計画業務を効率化し、属人化の解消にもつなげる。

 ヤンマー建機は、油圧ショベルやローダーなどの小型建設機械の開発から販売までを手掛ける。製造現場の稼働効率を最大化するためには、リソースを最適に割り当てる生産計画が肝になるが、海外向けを含む膨大な製品仕様の組み合わせや製造ラインへの負荷を考慮する必要があり、計画策定には長年の経験に基づく専門スキルが不可欠だった。従来はExcelでシミュレーションしていたが、熟練者でも毎日作業に5時間から6時間以上を要し、業務の属人化が課題となっていた。

 こうした課題を解決するため、ヤンマー建機はMotionBoardのAIウィジェットを活用し、生産計画ダッシュボードを構築した。BIツールの枠を超えた業務アプリケーションとして活用し、生産計画シミュレーションの自動化や直感的な操作性を実現したという。

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ExcelをMotionBoardでアプリ化した生産計画(出典:ウイングアーク1st)

 具体的な導入効果としては、毎日5時間から6時間かかっていた生産計画の策定時間が半分以下に短縮された。AIが自動で生産順序の並べ替えを行い、担当者はその結果をドラッグ&ドロップで微調整するだけで済むようになり、作業負荷が大幅に軽減されたという。また、基本的な工程や制約条件をプロンプトとして入力し、AIの回答に修正コメントを加える運用を通じて、言語化が難しかった熟練者の微細なノウハウが蓄積されるようになった。

 同社はMotionBoard最新バージョンについて、生成AIへの指示を通じて画面やチャートを自動生成できる点や、業務ロジックを組むことができる「フロー機能」により複雑なデータ処理を行えるようになった点を評価しているという。専門的なプログラミングスキルがなくても、入力フォームを含む業務アプリケーションに近い仕組みをノーコードに近い形で構築できるため、市民開発のハードルを下げられると見込んでいる。

 ヤンマー建機経営戦略部イノベーション推進部の田中重信氏は、「プログラムの高度な知識が必要になるのではないかと懸念していたが、新バージョンでは不要だと分かり安心した。生成AIには完璧を求めず、6割から7割程度の正答率に対して人間が手直しする方針を定めているが、それでも大半の作業が自動化され、大きな効果が得られている」としている。

 生産計画業務が効率化されたことで、担当者は本来のミッションである現場の業務改善や若手の育成に注力できる環境が整った。ヤンマー建機は今後、MotionBoardによる生産計画策定の仕組みを海外工場へ展開することも検討していく。

ニュースリリース