不二越機械工業は、製品の企画からアフターサービスまでの一連の業務プロセスであるエンジニアリングチェーンの全体最適化を目的に、ローコードプラットフォーム「intra-mart」を採用した。2月18日、intra-martを提供するNTTデータ イントラマートが発表した。オーダーメイドのモノづくりを支える業務情報を一元管理することで、業務のデジタル化とプロセス改革を推進し、業務スピードの向上や属人化の解消につなげる。2026年内をめどにエンジニアリングチェーン全領域のシステム化完了を目指すという。
長野市に本社を置く不二越機械工業は、半導体製造装置の分野で高い技術力を持ち、顧客の要望に応じた「一品一様」のモノづくりを展開している。近年、エンジニアリングチェーン全体で部門間の情報連携がアナログであることや、図面・申請書類が紙やExcelで運用されていることによるリードタイムの長期化が課題となっていた。また、業務ノウハウが担当者個人の頭の中にとどまる属人化も顕在化していたという。
こうした背景から、同社は2022年に現場の実務を熟知したメンバーを中心とする「DX推進委員会」を発足。業務プロセスの抜本的な改革を推進するため、受注から納品、アフターメンテナンスに至る情報を一元管理する「装置情報共有システム」の共通基盤としてintra-martの採用を決定した。
選定にあたっては、安定した運用実績、ワークフローを柔軟に構築できる設計、アプリケーションのカスタマイズのしやすさを評価した。また、導入・開発を支援するパートナー網が充実している点もポイントとなった。今回の導入プロジェクトは、NTTデータ イントラマートのシルバーパートナーである炭平コンピューターシステムが支援した。
2025年8月に稼働した装置情報共有システムの第1弾では、受注プロセスまでのデジタル化を完了。従来は担当者しか把握していなかった情報が共有され、データの更新履歴も残るようになったことで情報の透明性が高まった。データ連携により、膨大な転記作業に伴うミスも激減したとしている。
また、同社は装置情報共有システム整備を進める中でintra-martの柔軟なワークフロー機能に着目し、エンジニアリングチェーン管理のみならず、長年の課題だった他の業務改善にも活用することを決断。経費・旅費精算業務もintra-mart上に集約した。その結果、経費・旅費精算業務の約8割がデジタル化され、承認フローの滞留が解消されたことで業務スピードが大幅に向上したという。
不二越機械工業代表取締役社長の市川大造氏は、「これまでは過度な部分最適が進んだという反省がある。管理側の机上の理想論ではなく、フィールド業務をよく知っている人材に全体最適を意識してもらった上でプロセス改革を進めた」と説明する。また、今後は蓄積されたデータを活用し、全社で統一された指標に基づくデータドリブン経営の実現と、さらなる競争力強化を目指す考えだ。