AMETEK Brookfield、3Dプリンター導入で部品製造コスト88%削減

2024年11月26日22:44|ニュースCaseHUB.News編集部
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 産業用材料特性評価装置を製造するAMETEK Brookfieldは、Formlabsの3Dプリンター「Fuseシリーズ」を導入し、製造工程を大幅に変革した。2024年11月26日、システムクリエイトが発表した。

 AMETEK Brookfieldは、高精度で品質が求められる部品を多く扱う。従来の製造プロセスでは、小型の電子クリップなどの部品をフライス加工機に一つずつ手動でセットする必要があり、時間とコストがかかっていた。また、金属加工やFDM方式の3Dプリンターでは、コストや製造時間の面で限界があった。さらに、顧客からの設計変更や試作品への要望にも、迅速な対応が難しい課題を抱えていた。

 これら課題を解決するため、AMETEK BrookfieldはFormlabsのFuseシリーズを採用した。特に「Fuse 1+ 30W」は、粉末焼結積層造形(SLS)技術を用いることで、高精度なナイロン部品の大量生産を可能にした。SLS 3Dプリントは、材料の無駄を最小限に抑えながら、高強度で耐久性のある部品を短時間で製造でき、複雑な設計変更にも対応しやすい利点がある。AMETEK BrookfieldはFuseシリーズの活用で、設計から最終製品までの一貫した製造フローを構築した。

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FormlabsのFuseシリーズ

 Fuseシリーズの導入で、AMETEK Brookfieldはコスト削減と生産性向上を実現した。電子部品のクリップ製造では、従来の金属加工に比べて、生産コストを25ドルから3ドルに削減、88%のコスト削減を達成した。また、金属加工機での手動作業を3Dプリントに置き換え、製造時間も大幅に短縮した。これにより、サプライチェーンの問題にも柔軟に対応可能となり、顧客からの急な注文にも迅速に応えられる体制を構築した。

 さらに、Fuseシリーズの導入で設計変更が容易になり、製品開発の初期段階から試作品を迅速に製造し、複数のバリエーションを短期間で評価可能となった。その結果、開発期間が短縮され、市場競争力が向上した。顧客からも「部品がまるで鋳造されたかのような品質」と高い評価を得ている。従来の3Dプリントで見られた積層痕も少ないため、高精度で美しい仕上がりを実現し、顧客からの信頼も高まった。

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