全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、成田国際空港、NECは、顔認証で搭乗手続きができる「Face Express」の利用登録を旅客自身のスマートフォンで可能にするモバイルアプリの実証実験を、3月25日から28日まで成田空港で実施した。5月10日、4社が共同で発表した。
Face ExpressはNECの顔認証技術を活用しており、成田空港では21年から導入し、スムーズな搭乗手続きの促進を図っている。しかし現状、Face Expressの利用登録は空港内の端末でのみ可能となっており、利用率向上と旅客の利便性向上が課題となっていた。
今回、実証実験の対象となったモバイルアプリは、ANAとJALのモバイルアプリと連携することで、オンラインチェックインからFace Expressの個人情報登録までをワンストップで完了できるという。利用者が任意のタイミングや場所で個人情報を登録できるようにすることで、空港でのスムーズな手続きを実現し、チェックインに要する時間の短縮や空港スタッフの業務負担を軽減する。登録した個人情報はモバイルアプリで本人が管理し、何度でも繰り返し利用できるため、次回以降の手続きも簡単になる。
実証実験では、約150人の参加者が実際にモバイルアプリを操作し、Face Expressの利用登録を行った後、搭乗手続きを体験した。実験の結果、モバイルアプリは空港内での利便性とFace Expressの利用率向上に寄与し、快適でスムーズな搭乗手続きを実現できることが確認されたとしている。実験後のアンケートでは、参加者の98%がモバイルアプリの有用性を評価し、利用したいと回答したという。
一方で、ユーザーインターフェースの改善や、モバイルアプリへの誘導方法では課題も残った。ANA、JAL、成田国際空港、NECの4社は、今回の実証実験の結果を踏まえ、モバイルアプリの実用化に向けた改善や検討を進める方針だ。