auカブコム証券、ウルシステムズの手法で開発環境構築を自動化し開発効率向上

2024年11月26日22:49|ニュースCaseHUB.News編集部
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 auカブコム証券は、ウルシステムズの技術支援により開発環境の構築作業を自動化し、俊敏な機能開発を可能にした。2024年11月26日、ウルシステムズが発表した。

 auカブコム証券は、開発効率化の一環として、開発環境の構築作業の効率化に着手した。同社の基幹業務システムは構成要素が緊密に連携するモノリシックな構成をとっているため、機能追加や変更を行う際はシステム全体を再現した開発環境を用意する必要があった。構成要素が多く、手作業が大半を占める開発環境の構築はインフラ管理チームにとって負担の大きな作業だった。

 インフラ管理チームは多岐にわたる業務を担当しており、開発チームの要望に即座に対応できない点も課題だった。ビジネスニーズや法制度への対応を背景として開発プロジェクトが急増する中、構築手順を抜本的に見直し、開発環境を短期間で調達する仕組みを整える必要があった。

 技術支援を要請されたウルシステムズは、2ステップで開発環境の構築作業を効率化した。まずは基幹業務システムを丹念に読み解き、それぞれの機能が動作するために必要な最小限の構成を明らかにした。環境構築の対象を絞り込むことにより、作業工数を2週間から1日に短縮した。また、手順を明文化することで開発チームがインフラ管理チームに頼らず環境を構築できるようにした。

 続くステップでは環境構築の自動化を進めた。環境構築の手順を一つひとつ紐解き、ブラックボックス化・形骸化しているものを除去し、シンプルかつ最短経路でそれぞれの構成要素を再現する手順を確立した。利用頻度の多い構成については、IaCツールを用いて手順をコード化し、構築作業の完全自動化を実現した。

 新しい仕組みは2023年6月にリリースし、安定的に稼働している。従来は開発環境の追加が困難だったため、同時並行できる開発プロジェクトの数に制約があった。IaCを活用して環境構築の負荷を大幅に軽減したことにより、開発プロジェクトの数を増やし、サービス強化のスピードを高めることに成功した。また、変更対象機能に合わせて必要最小限の環境を用意するため、インフラコストを大幅に低減した。属人化の排除、安全性の向上なども実現している。auカブコム証券は今後基幹業務システムの構成の見直しなども見据えている。

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