矢作建設工業、業務依頼をチャットからBacklogへ 進捗と担当者を可視化

2026年10月19日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 総合建設会社の矢作建設工業は、全社のDXを進めるエンジニアリングセンター デジタル推進グループで、ヌーラボのプロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」を使い、業務の依頼と進捗を管理している。チャット中心だった業務依頼をBacklogの課題として管理し、「誰が、何を、どこまで進めているか」が見えるようになった。10月16日、ヌーラボが発表した。

 矢作建設工業は、建築、土木、不動産を中心に事業を展開する。デジタル推進グループは、これまでの経験やノウハウを生かしながら、データも判断材料にできる組織を目指し、全社のDXを進める。メンバーは、若手社員から中途採用者まで、経験や専門性がさまざまで、仕事の進め方も案件ごとに異なっていた。グループ全体の進捗を把握するのに手間がかかり、日々の依頼に使っていたチャットツールでは、過去のやり取りと対応の経緯を確認するにも、手間がかかった。

 いきなり、作業を細かく分解して管理するWBS(作業分解構成図)や、プロジェクト管理の国際的な知識体系であるPMBOKに沿った運用を求めても、実践は難しいと考えた。専門的な管理手法を学んでから業務に生かすのではなく、ツールを使う中でプロジェクト管理の進め方が身につく体制を目指し、Backlogを選んだ。

 重視したのは、社内に広げたときの運用のしやすさと統制の取りやすさだ。承認ワークフローを厳密に組むツールでは、毎年の人事異動に合わせて承認ルートを設定し直す必要があり、メンテナンスの負担が大きくなる。Backlogは、担当者間で直接タスクを受け渡す仕組みのため、必要な管理を行いながら運用負荷を抑えられる。シンプルなUIで他部門にも展開しやすい点も決め手となった。料金はユーザー数に応じた従量課金ではないため、利用者が増えても年間コストを見通しやすい。ただし、プランによっては利用人数の上限がある。

 Backlogと同時に、オンライン作図ツール「Cacoo」と、シングルサインオンや監査ログを提供する「Nulab Pass」も使い始めた。三つのサービスは、タスク管理、情報の可視化、認証と統制と、役割が分かれ、機能がぶつかりにくい。Cacooは、システム構成などを図解し、打ち合わせの参加者の認知負荷を下げるために使う。Nulab Passは、サービスごとにパスワードを覚える負担をなくし、利用状況を把握して、情報セキュリティと内部統制を保つために使う。

 メンバーへの展開では、オンボーディング専用のBacklogプロジェクトを作り、操作マニュアルと運用ルールを、Backlog内のドキュメントとして用意した。メンバー一人ひとりに、「このドキュメントを読む」という課題を割り当て、読んだら完了にしてもらう。課題の詳細を入力し、状態を変える実際の操作を通じて、使い方を覚える。混乱はほとんどなく、問い合わせも、Backlogで受け、履歴を蓄積する。課題は、親課題を案件、子課題を工程、孫課題をタスクに分け、マイルストーンとカテゴリーを組み合わせる。後から探せる件名にすることも意識する。

 導入から約3カ月で、「誰が、何を、どこまで進めているか」が見え、仕事の経緯が記録として残るようになった。担当者や期限日で課題を絞り込めば、メンバーごとの残作業をすぐ確認できる。Excelの課題管理表で行っていた社外パートナーとのやり取りも、今後Backlogへ移す考えだ。社外の利用者には、利用ルールを掲載した「Backlog利用同意プロジェクト」で、社外パートナーを招待する際は、利用ルールを掲載した「Backlog利用同意プロジェクト」で確認課題を完了してもらった後、業務用プロジェクトに招待する仕組みを設ける。

 エンジニアリングセンター デジタル推進グループの濱田正悟係長は、「ツールを使うこと自体が、プロジェクト管理手法の実践になる」という導入の狙いに、手応えを感じ始めたと話す。依頼し、受けた側が対応して戻し、依頼した側が確認して完了にする流れが、メンバーに浸透しつつある。今後は、まずグループ内で活用を定着させ、タスクのやり取りが多い、他のスタッフ部門にも広げる。タスクごとに判断の経緯を残し、2回目以降の仕事を、定型業務のマニュアルや、外部への依頼につなげて、属人化を防ぐ考えだ。

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