メキシコ大手のBanco Aztecaは、UiPathのビジネスオーケストレーション基盤「UiPath Maestro」を活用して自動化プログラムを刷新した。9月1日、UiPathが発表した。単一のタスク自動化から組織横断的なビジネスプロセスの統合へと移行し、8800以上の業務プロセスをオーケストレーションすることで、3300人以上のフルタイム従業員に相当する業務処理能力を創出した。
Banco Aztecaは、メキシコ国内に広範な支店網とデジタルバンキング基盤を持ち、数百万人の顧客を抱える大手金融機関。同社は2020年に自動化の取り組みを開始し、AIやRPAの専門組織(センター・オブ・エクセレンス)を設立して業務効率化を進めてきた。しかし、プログラムの成熟に伴い、顧客サービスやコンプライアンス、不正防止などの多様な業務をさらに拡張するには、個々のタスクを単体で自動化する手法だけでは限界があることが課題となっていた。
そこで同社は、人間、AIエージェント、システム、外部パートナーを横断してプロセス全体を統合・調整するビジネスオーケストレーションへの移行を決めた。一元的なガバナンスのもとで全体を統制できる基盤として、UiPath Maestroを採用した。
同社はUiPath Maestroを活用し、コンプライアンス、不正防止、法務、調達、人事、カスタマーサービス、ソーシャルメディアなどの主要部門で、AIやエージェント技術を組み込んだ300件以上の本番環境向け自動化を実装。組織全体で8800件以上の自動化プロセスを展開した。
具体的な成果として、親会社であるGrupo Elektraの小売ECサイト「elektra.mx」におけるアフターセールス業務の効率化が挙げられる。同業務では、キャンセルや配送に関する問い合わせ処理、出品業者への連絡調整、回答の追跡、未解決案件の優先順位付けなどをワークフローとして統合。人間の判断が必要な例外対応のみを担当者に振り分ける仕組みを構築した。これにより、顧客対応の解決時間を短縮し、顧客体験と業務の可視性を高めた。さらに、銀行全体でフルタイム従業員3300人以上に相当する業務処理能力を創出し、従業員が付加価値の高い業務へ注力できる環境を整えた。
Banco Aztecaの最高執行責任者(COO)兼カスタマーサービス責任者であるManuel Delgado Forey氏は、「自動化プログラムの成熟に伴い、単一タスクの自動化だけでは更なる価値創出に限界があった。人間、AI、システム、パートナーを横断的につなぎ、プロセス全体をオーケストレーションすることで、組織全体の連携と可視性を高め、円滑かつ効率的な業務遂行が可能になった」とコメントしている。
今後は、マネーロンダリング対策(AML)やATMの高度な監視業務、需要に応じた現金配分の最適化にもオーケストレーションの適用範囲を拡大し、全社的な業務の統合管理を進める。