HBCビジョンは、アジェンダが提供する旅行会社向けクラウドサービス「マタタビ Suite」を採用した。9月1日、アジェンダが発表した。案件管理で併用していた紙カルテを廃止して情報を一元化し、拠点間の業務連携や蓄積データを活用した経営分析体制を整えた。
HBCビジョンは北海道放送グループの旅行会社で、法人や団体向けの国内・海外旅行の手配、航空券販売、募集型企画旅行などを展開している。2023年からは首都圏を中心とした旅行会社向けホールセール事業を開始し、札幌本社と東京事業所が連携して業務を進めている。
同社では以前、オンプレミス型の基幹システムを利用していたが、契約終了の時期を迎えたことを契機にシステムの刷新を検討した。従来のシステムは動作が遅く、東京事業所との連携に課題を抱えていた。また、ホールセール事業の取り扱い拡大に伴い今後の業務量増加が見込まれていたため、商品造成や提案に充てる時間を確保するための業務効率化が急務となっていた。
さらに従来の運用では、システムと紙カルテを併用していたため、情報の二重入力や手入力ミスの発生、顧客とのやり取りが共有されにくいといった属人化が問題となっていた。経理面でも発券日を基準とした未収金のシステム管理ができず、紙の請求書を目視で照合する確認作業に時間を要していた。こうした課題を解決し、クラウド移行による連携強化と情報管理の見直しを図るため、マタタビ Suiteの採用を決めた。
システム刷新にあたり、同社は従来の作業をそのまま移行するのではなく、必要な業務プロセスを整理した上で運用ルールを構築した。新しい入力方法の目的や効果を社内で丁寧に共有しながら定着を進めた。
マタタビ Suiteの本格稼働により、すべての案件管理をシステム上へ集約したことで紙カルテが不要になり、書類の保管スペースを大幅に削減した。また、システムの予約カードを通じて案件の内容や収支、対応履歴を一覧できるようになったため、担当者へ個別に確認することなくチーム全体で案件を把握可能になった。札幌本社と東京事業所の間でも情報共有が容易になり、拠点間の連携体制が強化された。航空券情報の一括取り込みにより、手入力作業やミスも軽減されている。
蓄積されたデータの活用も進んでいる。マタタビ Suiteから出力したデータを生成AIと組み合わせて整理・分析し、売上や取扱件数の推移を週次で把握できる体制を整えた。役員会などで数値に基づいた要因分析や事業状況の共有が可能になり、経営判断の迅速化につながっている。
HBCビジョン取締役の田中勝実氏は、「システムの導入は業務を見直す機会として捉えることが重要だ。単に効率化を目的にするのではなく、導入によって会社として何を実現したいのかを社内で共有することが成功につながる」と話している。