東洋建設は、Sansanが提供するインボイス管理サービス「Bill One」を導入した。11月21日、Sansanが発表した。海洋土木大手の東洋建設は、全国150拠点以上で年間約6万件の請求書を受領しており、その大半は紙の請求書を建設現場で受け取っていたという。建設現場での主な業務は施工管理だが、膨大な量の請求書も処理する必要があり、社員の負担が大きいという課題があった。Bill Oneにより紙の請求書業務をデジタル化することで、建設現場における生産性向上を目指す。
東洋建設の従来の請求書処理は、建設現場で紙の請求書を受け取り、内容確認後に営業所に郵送、その後、営業所が支店に郵送して最終的な会計処理までを行うというのが基本的な業務フローだった。郵送には数日間かかることから、建設現場で迅速に処理する必要があり、本来は施工管理に時間を割きたい担当者にとって大きな負担となっていた。また、建設現場宛ての請求書を経理担当者がすぐには確認できないため、その後の会計処理が遅れてしまう懸念もあったという。
今回、Bill Oneを導入し、請求書業務をデジタル化することで、本社や支店でも請求書をオンライン上で確認できるようになり、郵送作業が不要になった。建設現場の担当者が施工管理などの業務に集中できるようになることで建設現場全体の生産性向上を図るほか、会計処理の遅延や支払い漏れといったリスクの低減も見込む。
また、これまで請求書は紙で保管し、案件ごとに支店の保管庫や社外の倉庫など異なる場所で管理していたという。今後はBill One上で請求書を一元管理することで、過去の請求書をすぐに参照できるようになるとしている。
さらに、取引先にとっての利便性も高まるという。建設現場は建造物に応じて事務所の場所が変わることから、取引先は現場が変わる度に送り先の住所を都度確認して請求書を郵送していた。Bill One導入後は、請求書をオンライン上にアップロードして共有するかたちが基本となり、郵送の場合もBill Oneが代理受領してデータをアップロードするため、取引先は送り先住所を都度変更する手間がなくなる。
東洋建設コーポレート部門財務経理グループ経理部の山木秀友氏は「特に離島の作業所では船の便数も限られているため郵送に時間を要し、請求書の受け取りから支払金額の確定までに時間がかかっていた。Bill Oneの導入を通じてアナログな業務を削減し、建設現場の担当者が施工管理に向き合う時間を増やせると考えている。業務フローの変更に向けた準備では、取引先への案内など、Bill Oneの専任担当者のサポートもあり円滑に進められた」とコメントしている。