防衛省航空自衛隊は、部隊間の情報連携強化と業務効率化を目的に、インテリジェントコンテンツ管理プラットフォーム「Box」を採用した。8月1日、Box Japanが発表した。全国の基地ごとに運用していたオンプレミスのファイルサーバーから移行し、47000名を超える全隊員を対象に生産性の向上とセキュリティ強化を目指す。
航空自衛隊は、日本の空域防衛や災害派遣など多岐にわたる任務を担っており、高度な情報連携と迅速な意思決定が不可欠だ。加えて、昨今の高度化したサイバー攻撃への対策や、急速に変化する安全保障環境への対応も急務となっていた。従来は、全国73ヶ所の基地ごとにオンプレミスのファイルサーバーを管理・運用していたが、容量の逼迫や管理工数の増大、組織内外との共同作業における障壁などの課題を抱えていた。
今回のBox採用により、これらの課題解決を図る。コンテンツはクラウド上で一元管理され、容量を気にすることなく利用できるようになる。これにより、組織で扱う膨大な情報や資料を安全に共有できるコラボレーション環境が整うほか、外部機関を含めた関連組織とも効率的な連携が可能になる。また、細かなアクセス権制御や各種ログによる証跡管理機能も活用し、セキュリティの向上と行政文書管理の高度化も推進する。
Boxは、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に登録されている。また、米国の政府機関向けクラウドのセキュリティ認証制度であるFedRAMP Highも取得しており、NASAや米空軍など世界中の政府機関での採用実績がある。