MS-Japanは、属人化した情報の資産化と業務効率化を目的に、人材ビジネス向けクラウドシステム「PORTERS Agent」を採用した。12月25日、同製品を提供するポーターズが発表した。組織規模が40人から200人へと拡大する中、柔軟なカスタマイズ性を生かして運用基盤を構築し、選考リードタイムの短縮や休眠求職者の掘り起こし自動化といった成果につなげている。
MS-Japanは1990年創業で、管理部門と士業に特化した総合転職サービス「MS Career」やビジネスメディア「Manegy」を展開している。管理部門・士業領域に特化したエージェントとして成長を続け、2020年1月から5年間での新規登録者数は82000人を超える規模に達している。
同社がPORTERS Agentの前身サービスを導入したのは、従業員数が40人程度だった約17年前のことだ。当時は情報の管理が属人化しており、組織として情報を資産化できる仕組みの構築が急務だった。その後、事業拡大に伴う組織の変化に合わせてシステムを刷新しながら、現在のPORTERS Agentに至るまで長期間にわたり活用を続けている。
PORTERS Agentの採用の決め手となったのは、システム側の柔軟性の高さだ。転職支援サービスでは企業、求人、求職者の情報が連動して動くため、業務フローの変化に寄り添えるカスタマイズ性が重要となる。PORTERS Agentは管理項目の追加やフローの変更が容易であり、同社では職種ごとのスキル項目や求人特性に応じた項目を細かく設計することで、精度の高いマッチングを実現している。
導入後の活用では、自社開発したマイページや推薦管理システム、外部のデータマーケティングツールとのAPI連携を積極的に進めている。これにより、これまで手動で行っていた面接フィードバックの回収や求職者の掘り起こし業務の自動化に成功した。
具体的な導入効果として、マイページとの連携により選考のリードタイムが約2日間短縮された。また、自動化によって休眠求職者へのアプローチ数が大幅に増加し、一度離脱したユーザーの「復活稼働」が着実に増えるなど、エージェント全体の稼働率底上げに寄与している。蓄積されたデータは分析にも活用されており、戦略的な意思決定を行うためのインサイト抽出にも役立てられている。
MS-Japanでシステム導入に携わった加藤隆二氏は、PORTERS Agentについて、単なる業務ツールの枠を超え、人材紹介業務の効率化とデータ活用を同時に実現できるツールだと評価している。カスタマイズ性が高く自社の業務フローを最適化できる点や、外部ツールとの連携によって日々の業務負荷を軽減し、成果を向上させられる点を推奨している。
今後は、さらなる外部連携のシームレス化や、SFA・CRM機能を含めた統合プラットフォームとしての進化を期待している。MS-Japanは今後、登録者の属性やニーズにマッチした戦略的な獲得を強化し、世界一の経営管理プラットフォームを目指す方針だ。