光陽興産は、吉積情報のファイル共有ソリューション「Cmosy Pocket」を導入した。Googleドライブの外部共有を制限するセキュリティポリシーを維持したまま、不動産物件の写真や図面など大容量ファイルを社外と安全に送受信できるようにした。現場で無料のファイル転送サービスなどが独自に使われていた状況を受け、ファイル送受信の手順を統一し、経理業務では月約80分の工数を削減した。11月2日、吉積情報が導入事例として公開した。
光陽興産は富山県を中心に、不動産や建築から暮らしに関わるサービスまで幅広く手がける。2024年に経済産業省の「DX認定」を取得し、全社員へのタブレット端末の配布やペーパーレス化などを進めている。住まいと暮らしに関わる11社以上を統括するサニーライブホールディングスのグループ会社だ。
同社は情報セキュリティを優先し、Googleドライブの外部共有を一律で制限していた。しかし不動産物件の写真や図面などの大容量データはGmailの添付容量の上限(25MB)を超えるため、社外とのやりとりに苦労していた。現場では無料のファイル転送サービスなどを独自に使うケースが生じ、会社が把握しきれないシャドーITが広がっていた。重要なデータを無料ツールで送受信することへの危機感に加え、顧客からダウンロード方法が分からないといった相談も寄せられていた。定期的にやりとりする外部事業者には無料のGmailアカウントを用意してもらい、個別にフォルダの権限を付与していたため、招待漏れや権限の付与漏れのリスクもあった。
他社製品も比較したが、導入コストが高くなりやすいことや、Google Workspaceの管理コンソールで複雑な設定が必要になる点がネックだった。Cmosy Pocketは費用を抑えられ、既存のGoogleドライブの設定を大きく変えずに連携できる点を評価した。トライアルでは社外とのやりとりが多い部署や経理担当者から、Chrome拡張機能を含めて使いやすいと好評だったことも本格導入を後押しした。
導入後は、外部共有を制限したポリシーを維持しながら、統一された手順で安全にファイルを送受信できるようになった。最も多く使っているのは不動産部門で、オンラインで面談から契約まで完結させる取引が増えるなか、個人情報を含む重要書類のやりとりに活用している。経理部門でも金融機関や不動産オーナーとのデータのやりとりに使う。運用開始以降、セキュリティインシデントやダウンロードエラーなどのトラブルは起きていない。
従来はファイルをアップロードした後、パスワードとURLを別々に送る必要があったが、導入後は一連の手順で完結できるようになり、作業の手数が減った。経理業務では月約20件ある送信作業の所要時間が1件あたり約5分から約1分に短くなり、月約80分の工数を削減した。
同社は今回の取り組みをグループ全体の先行事例と位置づけ、ほかのグループ会社にも順次広げてガバナンスの強化を図る。生まれた時間は顧客へのサービス品質の向上に充て、ペーパーレス化やIT環境の整備も進めて社員の働きやすさを高めていく。