アサヒメタルファインは、日鉄ソリューションズ(NSSOL)の貴金属取引・リスク管理システム「Ratispherd(ラティスファード)」を採用した。2024年12月3日、NSSOLが発表した。
アサヒメタルファインは、貴金属含有スクラップの回収・精製から製品の製造・販売、トレーディング事業を推進している。従来は貴金属取引を取引種別ごとに管理していたため、取引データの一元管理が課題となっていた。また、フロントオフィスとバックオフィス間で重複した確認作業やデータ修正作業が発生し、ポジション把握に時間を要していた。
これらの課題解決のため、アサヒメタルファインはNSSOLのRatispherdを導入。コモディティ取引データの一元管理体制を構築した。Ratispherdは、NSSOLが15年以上にわたり商社やエネルギー会社へのシステム導入で培ったノウハウを基に開発したシステムで、2011年に日本国産パッケージ製品として提供を開始した。現在、商社、エネルギー会社13社に導入実績があり、非鉄金属、穀物、エネルギーなど幅広いコモディティ取引業務をサポートしている。
Ratispherd導入で、現物取引とヘッジ取引のデータ一元化によるポジション・損益管理の効率化、データ入力・更新時のチェック機能活用によるデータ整合性確保と重複作業の最小化、ポジション・損益計算の自動化によるデータ正確性向上と業務効率化を実現した。
システム導入は、コモディティ取引とリスク管理業務に精通したNSSOLのメンバーにより、最適化された業務機能と導入手順に基づき進められた。2024年10月にシステムは本番稼働を開始。プロジェクト組成から本番稼働まで約5ヶ月という短期間で導入した。取引データの一元化、非効率なオペレーションの解消という目的を達成し、コモディティ取引管理の高度化を支援する商品横断のデータ統合基盤を整備した。