DeNA、複雑化したシステム運用監視を統合し障害調査を短縮

2026年6月2日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ディー・エヌ・エーは、提供するゲーム関連サービスと、医療・ヘルスケア領域のサービスを支えるシステムの運用監視および障害調査の高度化を目的に、DynatraceのAI駆動オブザーバビリティプラットフォーム「Dynatrace」を採用した。6月1日、Dynatraceが発表した。分散していた運用データを横断的に把握・分析できる基盤を整備し、AIを活用した運用監視や障害調査の自動化・迅速化を進める。今後は活用範囲をさらに拡大し、全社方針に基づく運用の高度化を推進する。

 ディー・エヌ・エーは全社方針としてAI活用を掲げており、ITインフラの運用管理においても自動化が求められていた。一方で、本番環境を対象とするインフラ運用では、アプリケーション開発のように自動化をそのまま適用することが難しく、システムの状態を正確に把握し分析できる基盤の整備が前提条件となっていた。同社IT基盤部では、ゲーム関連の大規模なレガシーシステムと、医療・ヘルスケア領域のクラウドネイティブなシステムを対象に運用の高度化に取り組んできたが、前者では長年の内製ツールにより監視環境が複雑化し、後者ではコンポーネントごとに監視手法が分かれていた。この結果、重要な運用データが複数のツールや基盤に分散し、システム全体の依存関係を俯瞰することが難しい状況だった。特に機微情報を扱う医療・ヘルスケア領域では、厳格なセキュリティ要件への対応と、データ統合による可視化の両立が求められていた。

 こうした課題に対応するため、ディー・エヌ・エーは運用データを集約し、システム全体を横断的に把握・分析できる基盤としてDynatraceを選定した。単一のエージェントで複雑な構成要素や依存関係を自動検出・可視化できること、ログやメトリクスをデータ基盤上に集約し、AIエンジンによる相関分析を行える点を評価した。また、API連携により既存の監視ツールや内製システムと接続し、段階的に統合を進められる柔軟性を備えていることも選定理由となった。さらに、医療・ヘルスケア領域のシステムでは、ログデータのマスキング機能により、プライバシー保護とセキュリティ要件への対応を維持しながらデータ統合と分析を行える点も重視した。

 プラットフォーム導入後は、調査と分析の効率が向上している。複数のコンポーネントで構成されたシステムにおいて、従来は複数の担当者が約2週間を費やしても原因特定に時間を要していた障害が、導入後は1人のエンジニアが2日で原因を特定できた事例がある。障害調査にかかる工数が減少したことで、エンジニアが他の業務に充てられる時間が増えつつある。

 ディー・エヌ・エーIT本部IT基盤部副部長の天野知樹氏は、「ITインフラの運用管理は本番環境を対象とするため、アプリケーション開発のようにAIによる自動化を直接適用することが難しく、AI活用の前提としてシステムの状態を正確に把握し、迅速に分析できる基盤が不可欠だった」と説明する。そのうえで「従来の体制では特定に2週間を要していた問題が、Dynatrace導入後は2日で原因を特定できるなど、効率が向上した。工数の削減により、エンジニアがより付加価値の高い業務に注力できる環境が整いつつある。今後は活用範囲をさらに広げ、全社方針である『AIオールイン』に基づいた運用の高度化を進めていく」と話している。

 同社は今後、運用データのさらなる統合とAI分析の活用により、問題特定や調査プロセスの自動化を進め、次世代の運用基盤の構築と事業価値の向上につなげていく。

ニュースリリース