野村不動産HD、グループ10社の請求書処理をオンライン化

2026年6月1日18:37|ニュースCaseHUB.News編集部
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 野村不動産ホールディングスは、アナログな請求書業務の効率化と法制度への対応を目的に、経理AXサービス「Bill One」を採用した。5月28日、同サービスを提供するSansanが発表した。現在はグループ10社で同サービスを活用しており、年間約32万件の請求書処理をペーパーレス化している。支払処理を統括する資金部だけで年間9000時間以上を捻出し、全社として本質的な業務に充てられる時間を増やしている。

 野村不動産ホールディングスでは従来、紙の請求書の受け取り、それをスキャンして電子データ化する作業、支払システムへのアップロード、原本の保管など、紙を前提とした業務が行われていた。これらの作業に多くの工数を要していたことが長年の課題だった。また、インボイス制度など新たな法制度への対応も求められ、担当者の負荷増大が見込まれたことから、従来の業務フローを見直す必要性が高まっていた。

 Bill Oneの採用により、郵送やメールなどさまざまな手段・形式で送付される請求書をオンラインで受領・管理できる環境に移行した。これにより、紙の請求書のスキャンやシステムへのアップロード、原本保管といった作業が不要となり、紙を前提とした実務の削減につながっている。さらに、適格請求書判定機能を活用し、インボイス制度で求められる要件を満たしているかどうかの確認を自動化することで、資金部を中心に時間の捻出と業務負荷の軽減を図っている。

 また、請求書処理に関係する社員がシステム上で請求書を確認・承認できる環境を整備したことで、ガバナンス体制の強化にもつなげている。承認者がリモートワーク中であっても承認作業が滞りにくくなり、支払い遅延のリスクを抑制している。監査対応においても、オンライン上で該当する請求書を検索し、迅速に参照できる管理体制を構築している。

 野村不動産のオフィス・商業事業本部芝浦まちづくり事業本部インフラ・インダストリー事業本部業務推進部長を務める今川友博氏は、2025年8月のグループ本社移転に合わせ、全社で紙書類を80%削減する目標を掲げていたと振り返る。当時は資金部に所属しており、紙の請求書をDXによって削減することを目的にBill Oneを選定したとしている。導入に際しては、承認者数の見直しや、請求書の宛先を資金部に統一して現場の工数削減を図るなど、業務フローの再設計もあわせて実施した。  

 今川氏は、DXの効果について「単に時間を生み出すだけでなく、資金部全体の意識変化にもつながった」と説明する。従来は単純作業に追われていたメンバーからも業務改善の提案が出るようになり、チーム全体で前向きに取り組む雰囲気が生まれているという。今後はさらに全社的な出納業務の負荷を減らし、本質的な業務に向き合える時間を増やすことで、顧客へのサービスの質向上につなげていきたいとしている。

 今回の取り組みにより、請求書処理を中心とした業務のオンライン化と業務プロセスの見直しが進み、社員がコア業務に集中しやすい組織基盤が整いつつある。今後も、蓄積したノウハウを活用しながら生産性向上と出納業務全体の最適化を進めていく。

ニュースリリース