DMM.com、クラウド移行で「DMM TV」の安定稼働と開発加速

2026年3月25日23:31|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 DMM.comは、総合動画配信サービス「DMM TV」の運用基盤をGoogle CloudおよびGKE(Google Kubernetes Engine)へ移行したことに伴い、Datadogの統合プラットフォーム「Datadog」の利用を拡大した。3月24日、Datadogが発表した。アジャイル開発と安定稼働の両立を目的としており、部門をまたぐ約160名の担当者がリアルタイムでシステム状況を共有できる体制を整えた。

 DMM.comは、会員数5146万人(2025年2月時点)を抱える総合サービスサイトを運営し、多領域で60以上の事業を展開している。2022年に立ち上げたDMM TVは、従来のオンプレミス環境からクラウド基盤へと刷新。これに伴い、フロントエンドからバックエンドまでを網羅するフルスタックな監視環境の構築が課題となっていた。

 Datadogの採用にあたっては、2019年からゲームや会員プラットフォームなどの複数事業で利用してきた実績に加え、Application Performance Monitoring(APM)やReal User Monitoring(RUM)といった、パフォーマンス影響を詳細に可視化できる機能を備えている点を評価した。開発チームからも、ユーザー体験を損なわないためのモニタリング強化を求める強い要望があった。

 導入プロセスでは、SREチームが社内の他部署からダッシュボード設定などの知見を得ながら、DMM TV向けに最適化を進めた。現在はCPU約820コア規模の大規模な配信インフラをDatadogで監視している。APMとRUMを組み合わせることで、新モジュールの導入によるシステム負荷やユーザーへの影響を即座に把握できるようになった。

 導入効果として、日次の運用効率が大幅に向上した。SRE、アプリ、フロントエンド、バックエンドの各チームが共通の指標を確認できるようになったことで、異常発生時の迅速な判断が可能になった。日次の監視業務では、2、3日単位のデータ変動を確認することで短期的な変化を逃さない体制を構築。ダッシュボードの活用により、確認時間は1日15分程度に短縮されている。また、大型キャンペーンなどのアクセス急増時にも、Datadog ノートブックを活用して負荷情報や対応策をチーム間で共有し、安定運用につなげている。

 DMM.comメディア基盤開発部配信インフラグループSREチームリーダーの菅野滉介氏は、「ビジネスの中核であるDMM TVをクラウド上で開発・運用する上で、Datadogが大きな支えとなった。システムを横断的に可視化したことで迅速な障害検知が可能になり、アジャイル開発や安定した視聴体験の提供が実現した」と述べている。

 今後は、AIアシスタント機能「Bits AI SRE」などの活用を検討し、異常検知後の原因究明や解決策の自動提案など、AIを取り入れた可観測性のさらなる強化を目指す。

ニュースリリース