大和証券グループ本社は、従業員のエンゲージメント向上と人的資本の最大活用を目的に、統合人事システム「COMPANY」を採用した。2025年9月1日より、グループ会社を含む約14000人を対象に運用を開始している。2026年1月20日、COMPANYを提供するWHI Holdingsが発表した。人事データの一元化と業務効率化により、人事部門の役割を従来の管理業務から戦略的なタレントマネジメントへと進化させ、中長期的な企業価値の向上を図る。
大和証券グループは、中期経営計画「Passion for the Best 2026」において、人材採用・育成の強化や適材適所の人材ポートフォリオの構築を重点テーマに掲げている。その達成には、膨大な工数を要していた勤怠管理や給与計算などの定型業務を効率化し、人事部門がキャリア開発や最適配置といった戦略業務に注力できる環境整備が不可欠だった。また、従業員側にとっても、日々の申請業務を簡素化し、本業に集中できる環境をつくることが課題となっていた。
システムの選定にあたっては、大手法人向けの標準機能が豊富である点を評価した。導入プロジェクトは、WHI Holdings傘下のWorks Human Intelligenceと、人事領域のDX推進で実績を持つ日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が協業して支援した。約14000人におよぶ大規模な人事基盤の刷新により、グループ全体でのデータ活用を推進する。
新システムの稼働により、役職員の勤怠、評価、異動、申請といったあらゆる人事情報の一元管理が可能になった。ダッシュボード機能を活用することで、超過勤務時間やテレワークの実施状況、年休取得日数などを一つの画面でリアルタイムに把握できる。経歴や資格、研修履歴も容易に参照できるようになり、マネージャーによる部下の育成計画策定や勤務状況の確認が迅速化したという。
業務効率化の面では、年末調整や証明書発行などの手続きをペーパーレス化した。申請ナビゲーション機能の活用により、従業員の入力ミスや提出漏れを防ぐとともに、人事部門側の確認・入力工数を大幅に削減。申請内容は人事マスタへ自動連携されるため、データの正確性向上も果たしている。また、直感的な操作が可能な画面設計により、休職者や出向者も社外端末から手続きを完結できるようになるなど、多様な働き方への対応も進んだ。
今回の刷新により、データに基づく人事運営を支える共通基盤が整った。集約された人材データを活用することで、キャリア開発や最適配置といったタレントマネジメントの高度化を加速させる方針だ。
大和証券グループ本社人事部は、今回のシステム刷新は単なるツールの入れ替えではなく、人事業務変革を支える基盤構築であると説明する。一元化や自動化によって業務の効率化とガバナンス強化を進め、従業員が自らの成長やキャリア形成に積極的に取り組める環境を整えたいとしている。今後は、人事部門の役割を管理から戦略へと転換させることで、中期経営計画で掲げる人事戦略を達成し、さらなる企業価値向上に貢献していく考えだ。