ベネッセスタイルケア、介護知見活かしたeラーニング外販で人材定着を支援

2026年3月1日01:54|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ベネッセスタイルケアは、介護事業者向けeラーニングサービス「care hint(ケアヒント)」の提供を開始した。システム基盤として、learningBOXが提供する学習管理システム「learningBOX」を採用している。2月25日、learningBOXが発表した。深刻な人手不足に直面する介護業界において、同社が培ってきた専門的な知見をデジタル化して提供することで、現場スタッフの育成課題解決や離職防止につなげたい考えだ。

 ベネッセスタイルケアは、全国で350カ所以上の有料老人ホームを運営する介護事業の最大手だ。介護業界では、24時間365日の運営体制や訪問介護などの勤務形態により、職員を一箇所に集めて研修を実施することが極めて難しい。そのため、管理者側の事務負担が増大する一方で、現場では十分な教育を受けられないままスタッフが離職してしまうという負のループが長年の課題となっていた。

 こうした背景から立ち上げられたcare hintは、現場の忙しさに配慮し、1本あたり2分から3分程度の短時間で視聴できる動画コンテンツを主軸としている。内容は、法定研修から介護技術、資格取得対策まで幅広く網羅。30年に及ぶ同社の事業経験に基づき、6台のカメラを用いた多角的な撮影や実例ベースのシナリオなど、現場での実践しやすさにこだわった設計が特徴だ。

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実際の動画コンテンツの一部

 システム選定にあたっては、介護現場の特性を考慮し、メールアドレス不要でID登録ができる点を重視した。個人のアドレスを持たない職員が多い現場でも導入のハードルを下げられるためだ。また、40代から50代が中心となるユーザー層が迷わず操作できる直感的なインターフェースや、独自ドメインでの運用が可能な点も決め手となった。

 システムの導入により、利用事業所では研修準備や実施に伴う業務効率が大幅に向上した。従来は紙ベースで行っていたレポート提出や受講履歴の管理がオンラインで完結し、学習状況の可視化が実現した。受講者からは「短時間で要点がまとまっていて分かりやすい」と好評で、操作に関する問い合わせもほとんど発生していない。

 未経験者の定着支援としての効果も出始めている。ある50歳のスタッフからは、周囲が忙しく質問しづらい環境下で、care hintが不安を解消する支えになったとの声が寄せられた。また、採用面接時に育成コンテンツとして提示することで入社意欲を高めたり、1on1の面談で個々の課題に応じた動画を提案したりするなど、人事制度や福利厚生と連動させた活用も広がっている。

 今後の展望として、多言語対応の強化を予定している。英語、ベトナム語、インドネシア語、中国語、ミャンマー語などへのコンテンツ対応を進め、外国人材の育成も支援する方針だ。さらに、AIを活用した業務の自動化など、テクノロジーによる現場負担の軽減も視野に入れている。

 ベネッセスタイルケア介護学修推進部 care hint部長の上原えり子氏は、介護は「どう生きたいか」を支える専門性の高い仕事であるとした上で、ケアに迷ったときに「こういう考え方もある」というヒントを渡せる存在でありたいと述べている。また、同部リーダーの吉野瑞穂氏は、SaaSであるlearningBOXの柔軟な開発体制を評価しており、現場の声を反映した機能強化を通じてサービスの価値を高めていきたいとしている。

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