オラクル・レッドブル・レーシング、AI戦略エージェントでレース最適化を加速

2026年3月1日01:57|ニュースCaseHUB.News編集部
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 オラクル・レッドブル・レーシングは、データ駆動型のパフォーマンス向上を目指し、Oracleとのタイトル・パートナーシップを複数年にわたり延長・拡大した。2026年2月27日、Oracleが発表した。F1史上最大規模のレギュレーション変更を控える中、次世代ハイブリッド・パワーユニットの開発や革新的なAI戦略エージェントの導入により、過酷な環境下での競争優位性を確立したい考えだ。

 オラクル・レッドブル・レーシングは、2022年にOracleがタイトルスポンサーとなって以降、3度のドライバーズ・ワールドチャンピオンと2度のコンストラクターズ・ワールドチャンピオンを獲得してきた。2026年に導入される新レギュレーションでは、動力の生成やエネルギーの運用方法、パフォーマンスの引き出し方を根本から見直す必要があるため、さらなるテクノロジーの活用が不可欠となっている。

 今回の提携延長における主要施策の一つが、AI戦略エージェントの実装だ。このエージェントは「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」と「Oracle AI」の技術スタックで開発され、レース・エンジニアの意思決定を支援する。過去およびリアルタイムの膨大なレース情報を自動で収集・解釈し、インサイトを提示することで、エンジニアが戦況の変化へより迅速に対応できる環境を整える。

 また、2026年シーズンにデビューする「Red Bull Ford Powertrains」の次世代ハイブリッド・パワーユニット開発にもOCIが活用されている。ゼロからのエンジン開発という大きな技術的挑戦に対し、OCIのハイパフォーマンス・コンピューティングや大規模シミュレーション機能を駆使することで、記録的なスピードでの設計、検証、改良を実現した。Oracleはプログラム開始当初から支援を続けており、今後もOCI上でのアップデートと統合作業を継続していく。

 レース戦略の策定においても、シミュレーション基盤を大幅に強化する。新レギュレーション下ではエネルギー使用量やアクティブ・エアロの設定、タイヤへの影響など、数千ものシナリオを織り込んだ高度なモデリングが求められる。OCIの拡張性とスピードを活用することで、従来よりも深く細かなシミュレーションを実行し、ドライバーやストラテジストに対して明確なデータドリブンの指針を提供する。

 さらに、チーム運営の効率化に向けて「Oracle Fusion Cloud Applications」の活用も拡大する。財務、人事、マーケティングの各分野で、AI機能を組み込んだ「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning(ERP)」や「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management(HCM)」などを利用し、予算編成の最適化や給与計算の簡素化を推進する。ファン・ロイヤルティ・プログラムを通じたファンとのつながり強化にも役立てる。

 オラクル・レッドブル・レーシングのCEO兼チーム・プリンシパルを務めるローラン・メキース氏は、Oracleとのパートナーシップは非常に大きな成功を収めており、F1の新時代に向けて歩みを続けられることを喜ばしく思うと述べている。数えきれない要素を競合以上の精度とスピードで理解し最適化するために、オラクルの専門知識を頼りにしているという。Oracle CloudとOracle AIを活用することで、状況に素早く適応して的確な意思決定を行い、勝利に必要なパフォーマンスを維持できると期待を寄せている。

 新レギュレーションが適用される2026年シーズンは、2026年3月5日にオーストラリアのメルボルンで開幕する予定だ。オラクル・レッドブル・レーシングは、Oracleのクラウド技術を中核に据え、技術革新と卓越したオペレーションの両立を目指す。

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