住信SBIネット銀行、AIで銀行手続きを刷新 自然言語で振込や明細確認

2026年3月1日02:02|ニュースCaseHUB.News編集部
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 住信SBIネット銀行は、自然言語による対話で銀行手続きができるAI銀行サービス「NEOBANK ai」のベータ版を公表した。システム基盤には、アマゾンウェブサービス(AWS)の生成AIサービス「Amazon Bedrock AgentCore」を採用している。2月27日、AWSが発表した。ユーザーの意図を解釈して必要なUIを動的に生成する「ジェネレーティブUI」により、直感的かつ効率的な顧客体験の提供を目指す。

 住信SBIネット銀行は、生成AIの技術革新によってデジタル金融のユーザーインターフェース(UI)やユーザー体験(UX)にパラダイムシフトが起きると予見。画面遷移を繰り返す従来の操作から、ユーザーがやりたいことを伝えるだけで手続きが立ち上がる体験への移行を目指し、NEOBANK aiの開発に着手した。従来のメニュー階層をたどるUIでは、振込や明細確認などの日常的な操作において、ユーザーの意図に沿ったスムーズな体験を提供しにくい場面があるという課題を抱えていた。

 NEOBANK aiでは、テキスト入力に加えて音声や画像を含むマルチモーダルなインプットに対応する。AIエージェントがユーザーの意図を解釈し、照会や分析、手続き案内に必要なUIをその場で生成する仕組みだ。システム構築にあたっては、数百万ユーザーに対応できるスケーラブルな実行基盤、タスクごとにモデルを切り替えられる柔軟性、実行プロセスの可視性、そして金融機関として不可欠なセキュリティ対策の4点が主要な要件となった。

 実行基盤には「Amazon Bedrock AgentCore Runtime」を採用し、負荷に応じた自動スケーリングを実現した。フロントエンドからのリクエストは「Amazon API Gateway」を経由し、「AWS Lambda」で認証や前処理を行う構成だ。モデルの柔軟性については、処理の特性に応じて使い分けを行っている。意図理解や行動決定には応答速度を重視した軽量なモデルを使用する一方、不適切な応答を防止するガードレール判定には精度の高いモデルを採用し、品質と速度の両立を図った。

 運用の透明性を確保するため「Amazon Bedrock AgentCore Observability」を活用している。これにより、AIエージェントが自然言語をどのように解釈し、どのようなプロセスで応答を生成したかをエンドツーエンドで可視化した。開発時のデバッグだけでなく、本番環境での品質監査にも役立て、AIのブラックボックス化を防いでいる。セキュリティ面では、プロンプトインジェクションなどの攻撃や、銀行取引に関係のないトピックを検知するガードレールを実装したほか、「Amazon DynamoDB」によるレートリミット設定で過剰なリクエストを制御している。

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AIエージェントシステムのアーキテクチャ

 住信SBIネット銀行執行役員の渡邊弘氏は、顧客体験の革新を最重要課題とし、生成AIを活用したサービス高度化に取り組んできたと説明する。従来のルールベースに代わりAIエージェントを活用することで、対話がより自然で付加価値の高いものになることを期待している。また、金融機関に必要なセキュリティや可用性を満たしながらイノベーションを実現できるAWSのプラットフォームは、デジタルトランスフォーメーションを推進する上で欠かせないパートナーだと評価している。今後は今回の知見を他サービスにも活かし、金融イノベーションをリードしていく考えだ。

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