三五は、経営基盤の強化と業務改革を目的に、SAPのクラウドERP「RISE with SAP」を採用した。12月4日、導入を支援したコベルコシステムが発表した。約50年間利用してきた既存システムを刷新することで、業務プロセスの標準化とデータの一元管理を実現する。これにより、迅速な意思決定を可能にし、同社が目指すスマートファクトリー化の基盤を整えた。
三五は、自動車部品などを製造するサプライヤー。同社で約50年にわたり利用してきた基幹システムは、長年の運用により個別に最適化が進み、老朽化も相まって保守が限界に達していた。また、システム上のデータが一元管理されておらず、経営判断に十分に活用できていない課題も抱えていた。さらに、旧来のシステム構造を理解できる人材が減少しており、変化の激しい自動車業界において業務継続への不安が高まっていた。
こうした課題を解決するため、三五は新たな基盤としてクラウドERPへの移行を決断した。導入にあたっては、製造業のシステム構築に知見を持つコベルコシステムの支援を受け、10年先を見据えた業務標準モデルの構築を目指した。
新システムの稼働により、ERPがクラウド化されたことで保守性が向上し、常に最新の機能を活用できる環境が整った。手作業に依存していた業務をシステムに取り込むことで業務効率が改善され、内部統制上のリスク低減にもつながっている。最大の成果として、データの一元管理が実現したことが挙げられる。経営層から現場担当者までが同一のデータを共有できるようになったため、迅速かつ的確な意思決定が可能になった。
三五は今回の基幹システム刷新により、目指すべき姿であるスマートファクトリー化や高度なデータ活用のための基盤を確立した。今後は、コベルコシステムの継続的な支援のもと、経営計画に掲げる「IT基盤の再構築と業務プロセスの改革」をさらに推進していく方針だ。