佐賀銀行、「HULFT Square」で顧客への通知メール送信業務を自動化

2025年8月20日17:35|ニュースCaseHUB.News編集部
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 佐賀銀行は、自行アプリにおける顧客への通知メール送信業務の自動化を目的に、データ連携プラットフォーム「HULFT Square」を採用した。8月20日、HULFT Squareを提供するセゾンテクノロジーが発表した。勘定系システムなど行内の複数システムと外部のメール送信システムをシームレスに連携させ、担当者の作業負荷を軽減するとともに、顧客への通知を迅速化する。

 佐賀銀行は、DX戦略の一環として2023年12月に銀行アプリ「さぎんアプリ」をリニューアルした。アプリには住所などの変更機能が搭載されているが、変更完了を顧客に通知するメールの送信は手作業で行われており、通知の遅延や担当者の業務負荷が課題となっていた。1件あたり15分から30分を要する作業が1日に30件から50件発生し、常時1名から2名の担当者を配置する必要があった。

 そこで同行は、メール送信業務の自動化に向けシステム連携の検討を開始。当初はスクラッチ開発も視野に入れたが、開発期間の長さや属人化への懸念から、iPaaS(Integration Platform as a Service)の活用を決めた。複数の製品を比較検討した結果、既存のメール送信SaaSを有効活用して基幹系システムとセキュアに連携できること、ノーコードで開発してコストを抑えられる点を評価し、HULFT Squareを採用した。同行ではすでにセゾンテクノロジーの別製品を利用していたため、同様の操作性で開発できることも選定を後押しした。

 導入プロジェクトは、セゾンテクノロジーの伴走型サポートを活用しながら進められた。構築を担当したIT統括部の嬉野泰彦氏は、HULFT Squareを初めて使用したが、直感的な操作性で問題なく作業できたという。スクラッチ開発では3カ月から4カ月かかると見積もられていた構築作業は、約1カ月で完了。2024年8月には本稼働を開始した。

 新たな仕組みでは、アプリで変更データが登録されると、勘定系システムから抽出され、自行システムを経由してHULFT Squareに転送される。データは定時のバッチ処理でチェックされ、問題がなければメール送信システムから顧客へ完了通知が自動で送られる。これにより、従来は人の手を介していた一連の工程が全て自動化された。

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顧客へのメール送信システムの概要

 IT統括部 副部長の林田浩明氏は、「ユーザーの増加とともにメール送信の量が増えれば、人力ではいずれ業務が回らなくなることは危惧されていた。デジタルで完結する仕組みができたことで、誤って別のお客様に郵送してしまうなどのリスクがなくなり、行員の心理的なプレッシャーが軽減されたことも大きい」と効果を語っている。

 佐賀銀行は今回の実績をもとに、HULFT Squareの活用をさらに拡大していく。すでに、ファンドラップ商品の販売において、運用会社である証券会社と顧客情報を安全に共有する仕組みを構築した実績もある。林田氏は、「データをつなぐ仕組みに欠かせないものとして、HULFT Squareをどんどん活用していきたい」と今後の展望を話している。

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