オールイングランド・ローンテニスクラブ、IBMの生成AIでファン体験向上

2024年9月9日08:40|ニュースリリース公開日 2024年5月17日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 オールイングランド・ローンテニスクラブは、IBMの生成AIを活用し、ウィンブルドンのデジタル体験を向上させる新機能を開発し、ウェブサイト「wimbledon.com」と「wimbledon 2024アプリ」を通じて、ファンにパーソナライズされた選手情報や試合分析を提供する。2024年5月17日(現地時間)、IBMとオール・イングランド・ローンテニス・クラブが発表した。

 大会を運営するオールイングランド・ローンテニスクラブは、世界中から訪れるファンやデジタルで観戦するファンに対し、より質の高い観戦体験を提供したいと考えていた。特に、同時進行する試合の中から、個々のファンが関心を持つ情報をタイムリーに提供することが課題となっていた。

 そこで、IBMのAIおよびデータ・プラットフォームである「watsonx」の生成AIを活用した新機能「Catch Me Up」を提供した。この機能は、試合データや選手情報を基に、ファンの好みや位置情報、過去の閲覧履歴などに合わせてパーソナライズされたコンテンツを自動生成する。Catch Me Upでは、試合前の選手情報や勝敗予想、試合後の統計やハイライトなど、多岐にわたる情報を提供する。さらに、長編のサマリーも作成する。

 Catch Me Upは、IBMの大規模言語モデルGraniteとwatsonxの機能を用い構築され、ウィンブルドンの編集スタイルでトレーニングされている。コンテンツは、オールイングランド・クラブによって厳密にモニタリングされるため、情報の信頼性も確保されている。

 オールイングランド・ローンテニスクラブのデジタル・プロダクト・リードであるChris Clements氏は、「私たちは、対面であれデジタルであれ、ファンに最高品質のウィンブルドン体験を提供することに全力を注いでいます。生成AIによって、世界中どこにいても、ファンのためにパーソナライズされた方法でさまざまなタイプのコンテンツを提供する機能を拡張することができます。新機能のCatch Me Upにより、ファンの皆さんは、ウィンブルドン選手権を通じて展開される重要なストーリーを、より簡単に追うことができるようになります」と述べている。

 今回の発表と同時に、IBMとモーニング・コンサルトが実施した調査によると、世界のテニスファンの55%が、AIはスポーツにポジティブな影響を及ぼすと考えていることが明らかになった。特に、リアルタイムの更新(36%)、パーソナライズされたコンテンツ(31%)、ユニークな洞察の提供(30%)といった点で、生成AIへの期待が高い。

 今回の新機能導入により、オールイングランド・ローンテニスクラブは、ファン一人ひとりに最適化された情報を提供することで、ウィンブルドン選手権のさらなるファンエンゲージメントの向上を目指していく。

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